特別投稿 GPS No.16

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投稿者/G.P.S.     No.16     2009/07/02

蛤 … 新鮮

海鮮料理を食べ過ぎ、さらに生焼けの蛤を友人に勧められるまま口にしてしまい、強烈な腹痛を伴う食中毒に襲われましたが、依頼された講演会と楽しみにしていた観光を、お腹の激しい不調に苦しみながら何とかやり遂げました。ことの初めから詳しくお話します。
大学の同期生K君は大手機械メーカの役員を退職後、出身地四国南部の海岸の町でボランティア塾を開設して、近隣の市民に技術と経営の指導をしていた。
彼から、PCの講義を依頼されたので「PCの構成 PCの歴史 ハードウエアの発展 ソフトウエアの発展 今後の動向 当面の課題としてWindows Vistaと Windows7の比較、HDDからSSDへの転換、SSDの信頼性と価格」を分かり易く説明することにした。
浜辺の新鮮な海産物料理、K君宅での宿泊、講演会後の名所の案内、往復の交通費などをK君が負担するとの申し出を受け、講演料を無料で引き受けた。
講義の前日の夕刻に、飛行場に出迎えてくれたK君の車でK君宅へ到着した。 
塾の受講者から沢山の新鮮な海産物が届けられていた。
夕食はボランティア塾の世話人も参加して賑やかな食事会であった。 
新鮮な伊勢海老の刺身、生きた鮑の刺身、目の前で鱗をとり捌いた鯛の刺身などなど、海岸の漁港でなければ味わえない海鮮料理が山のように並べられ、美味しい地酒につられて満腹以上に頂いた。十分に頂いて、少し箸を休めていると、K君が「旬の蛤は生食が一番旨い、慣れていない人は中る危険があるので焼き蛤にしたが生焼けが旨い」と言い、殻の開いたばかりの焼き蛤を勧めてくれた。少し怖いがアメリカの東海岸のオイスターバーで生の蛤を食べたことを思い出し、勧められるままに美味しく頂いた。デザートは特産の新鮮なマンゴーであった。
楽しい夕食と団欒が終わり、寝室に移った。食べ過ぎでお腹が苦しいがアルコールが回り深い眠りに落ちた。夜中に喉が渇いて目覚め、酔いざめの水をおいしく飲み、小用を済ませて床に就いたが、お腹の中で内容物が激しく動くのが分かり、異常に苦しく感じた。食べ過ぎであろうと考えているうちに眠りに就いた。
翌朝強烈な腹痛で目覚めた。トイレに急ぐと凄まじい下痢が始まった。
朝食を絶食して、紅茶で乳酸菌製剤を多量に飲んだ。強烈な腹痛と激しい下痢が続き講演を無時にできるかと心配になった。
加熱不足の蛤に潜んでいた腸炎ビブリオ菌かノロウイルスによる食中毒に食べすぎの消化不良が重なったのであった。嘔吐と発熱はないが腹痛と頻回の下痢が激しく、かなり重症であった。K君は驚いて「何か悪いものを食べさせてしまったようで申し訳ない。医院へ行こう。」と言った。医院で点滴を受けると、お腹に負担をかけずに脱水の危険を低くできるが、時間がかかり講演の時刻に間に合いそうになかった。下痢止めの処方は無用である。「僕はお腹がとても弱いので、このような症状に慣れている、心配しないでくれ。辛いが講演はできる。このような状態で講演をした経験があるので安心してくれ。」と答えて、K君宅で休み、激しく下痢を繰り返した。K君初め誰もお腹を壊した人はいなかった。
水様便に昨夜の口にした不消化物が混じっており、自作パンツ【「カウンターの鮨」に作り方を紹介】の吸水層を目詰まりさせて、十分に役立たないので、一枚しか持参していない貴重な自作パンツの使用を諦めた。
K君の車で会場に早めに着き、所用を済ませて、講義を始めた。
講義を始めて30分ぐらいで我慢できなくなり休憩、2回目にはお腹を壊しているのでと断り、トイレに駆け込んだ。2時間の講義で3回の休憩を取った。恥ずかしいが止むを得ない。 公式の講演会では許されない失態であった。
講演を何とか終えて、K君宅に戻った。昼食も絶食と考えたが、K君に勧められてヨーグルトに蜂蜜を混ぜて頂き、脱水症を防ぐため紅茶と乳酸菌製剤を飲んだ。朝食を絶食したので不消化物は出尽くし、腹痛は軽くなったが、粘液交じりの水様便が頻繁にほとばしった。突然のアタックに備えるため自作パンツを着用した。
K君に「医院に行くか、部屋で休むか?」と問われた。今更医院に行っても役立つことはないので、下痢が穏やかになったと偽って観光案内を頼んだ。昼食後少し休憩して、車で出かけた。K君宅を出て20分くらい経つと、先ほど頂いたヨーグルトと紅茶のためかお腹の中の圧力が上昇し始めた。最初の観光地までは30分くらいと聞いていたので、何とか我慢できると考えた。我慢している様子に気づいたK君は「お腹の具合が悪くなったら早めに教えてくれ、ここらの家は顔見知りが多いからトイレを貸して貰える。」と言った。しかし古い民家が多いので、K君宅のような温水洗浄トイレではなさそうであった。和式トイレならひどく汚して清掃が大変である。「目的地まで我慢する。」と答えた。海岸の絶景を見るため脇道に入ると、車が激しく揺れてお腹に力が入り我慢していた液体が激しく漏れ出した。音も臭いもないのでK君は気付かなかった。
二か所の観光を終えた時K君は「この近くに仲の良い友人の家があるので休ませてもらい、トイレを借りるか?」と言った。先ほどのお漏らしで自作パンツがかなり濡れ、お尻も汚れておりトイレを汚す心配があるので、「下痢が止まったのでトイレの必要はない。」と答えて、次の観光地に向かって車を走らせた。
激しい下痢のため喉が渇き、脱水症の危険を感じて、自動販売機で紅茶を買った。冷たいものしかない、止む無く、冷たい紅茶を口にした。とても美味しい、三口飲みほした。暫くするとお腹の中の圧力が高くなり、苦しくなった。先ほどの突然のアタックで自作パンツを濡らしてしまったので、K君の顔見知り宅のトイレを借りて使うのが難しくなった。止むを得ず、音をたてないように静かにお漏らしをした。お漏らしの直後はお尻が濡れて気持ち悪いが、水分吸着層が吸水して余り気にならなかった。飲み残しの紅茶を飲む度に、お腹の中の圧力が高くなって、先ほどと同じことを繰り返した。出るものはほとんど水分だけなので、臭いが感じられず、この不始末はK君に気づかなかったようであった。
海岸の絶景と四国南部の名所を十分に楽しんで、夕暮れ近くに飛行場に着いた。飛行場のトイレでびっしょり濡れた自作パンツをどうするか思案した。自作パンツは一つしかないので穿き続ければ、突然のアタックに対して安心であるが、吸水量の限界近くまで濡れていて穿き続けるのは気持ち良くなかった。お腹の状態が悪くなったら飛行機のトイレ使えばよいと考え、濡れた自作パンツを脱ぎ、2重のポリ袋に密封してゴミ箱に捨てた。お尻の汚れをタオルで丁寧に拭き取り、新しいパンツに穿き換えた。乾いたパンツの穿き心地は素晴らしかった。
K君の子息が荷物を提げて空港に現れ「ボランティア塾の聴講者3人から先生へのお土産として干物を預かりました。あんなに体調が悪かったのに、上手に講義をして頂いて、PCの疑問が氷解しました。とお礼を申し上げて下さいとのことです。」と言って発泡スチロールの箱に入った干物を渡してくれた。講義を度々中断して、聴講者に迷惑をかけたと恐縮していたが、強烈な腹痛と度々のお腹の不調を我慢して講義したことに同情し、感謝してくれた人がいたので安心した。
飛行機の中での急なアタックに対応するため、チェックインの時に、K君が予約した眺めの良い窓際の座席からトイレの近くの通路側の座席に替えた。
搭乗機は時刻通り出発したが、気流が悪く、ベルト着用のサインがなかなか消えなかった。 
喉の渇きを我慢できずK君と飛行場の喫茶室で飲んだコーヒーと水が災いしのか、お腹の中の圧力が急激に上昇し始めた。ベルト着用のサインが消えるまでと必死に堪えた。 
K君の車中でお腹の中の圧力を自由に解消できた自作パンツの有り難味が本当に分かった。 自作パンツを履いてお漏らしすると、お尻が濡れて気持ち良くないが、強烈なお腹の中の圧力を堪えるのに比べればはるかに楽である。濡れた自作パンツを捨てたことを悔やんだが後の祭であった。
飛行機が激しく揺れると体を支えるためお腹に力が入り、懸命に締めているゲートが決壊の危機に近付き、我慢の限界に達した。ゲートが決壊すると、「殻つき牡蠣のオーブン焼きでの食中毒」のときの失態と同じように、下着とズボンだけでなく、座席と床を病原菌を含んだ汚水浸しにして、周囲の乗客と航空会社に大変な迷惑を掛ける恐れがある。乱気流の中を飛行中に、トイレに腰掛けるのはもの凄く危険であることは十分承知していたが、汚水浸しの失態を避けるため、ベルトを外して、トイレに駆け込んだ。ズボンを下ろし始めると、激しいノック音と「危険です、すぐに席へお戻り下さい。」と叫ぶ女性乗務員の声が耳に入った。「すみませんお腹を壊しているので入りました、すぐ戻ります。」と答えながら、腰を下ろすと同時に異様な轟音とともに、限界まで我慢して、圧力が異常に高くなった滝のような水柱をほとばしらせた。飛行機の便器は小さく浅いため、トイレの周りに水柱の飛沫が飛び散り激しく汚れた。お尻、太腿も汚れたのでトイレットペーパで拭き取った。次の利用者に迷惑を掛けないようトイレの便座だけでも清掃しなければと思ったが、飛行機が強く揺れて、危険なので諦めて、急いで席に戻った。ベルト着用のサインはしばらく消えてなかった。
15分くらい経って、飛行機の揺れが穏やかになり、やっとベルト着用のサインが消えた。再びお腹の状態が悪くなった。先ほど使用したトイレに行くと、ドアに使用禁止の張り紙が貼られていた。隣のトイレで済ませ席に戻ると、女性乗務員が「お薬をお持ちしました。」と言って即効性の下痢止め薬と水を運んできた。先ほどの異様な轟音を聞かれ、トイレをひどく汚したのを見つけられたらしく、ものすごく恥ずかしかった。 
G.P.S. (Dr. GERI)

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