特別投稿 GPS No.6

G.P.Sのメニュー

投稿者/G.P.S.     No.6     2007/05/09

氷 … 新鮮

ブラジル旅行者は水道水から感染する下痢症に悩ませることが極めて多い。現地の人は免疫力があり発病することは少ない。しかし彼らも水道水を直接は飲まない。
氷は別である。現地の人が行くレストランはかなり高級なところでも水道水で作った氷を出すので、要注意である。(日系人のレストランでは煮沸した水道水を使うようである)
水道水を口にしない、氷にも気をつける。ブラジルには仕事でたびたび出かけていたが、細心の注意でこの被害に遭わず、少し気の緩みがあった。
 夕食時に、レストランで、ビールと氷で冷やしたカクテルを注文した、カクテルは後で出ると思っていたが、一緒に出て来た。ビールを飲んでいる間に、カクテルの氷が溶けた。これを不注意にも飲んでしまった。
 
翌々日仕事中に、突然お腹の異常を感じてトイレに駆け込むと、強烈な下痢が始まった。1時間おきぐらいにトイレに通いながら仕事を仕上げて、ホテルに帰った。
夕食をやめてベッドに入るが止まらない。お腹の中には何もなくなっているのだが、2時間おきぐらいに、強烈なお腹の異常を感じて目覚め、トイレに入ると、しゅうっと水のようなものが激しくほとばしる。喉が強烈に渇くので、ミネラルウオータを目覚めるたびに飲む。下痢はとても激しいが、嘔吐はない、腹痛で苦しむこともない(腹痛の酷い場合もあるとのこと)。発熱は全くない。水道水から感染する下痢症の典型的な症状である。

翌朝は紅茶だけの朝食で仕事を始める、何も食べていないが、水のような下痢が続く。
頻繁に強烈なお腹の異常が襲ってくる、仕事が忙しいので、無理に堪えているとお尻がじわっと濡れてきて、ひと時の猶予もなくなる。会議中も度々抜け出さざるを得ない。
異常を感じたら、すぐに個室に入れるよう私専用を決めてもらい、使用禁止の張り紙をする。酷く汚しても他人に迷惑を掛けないし(退社のとき掃除人へのチップを残す)、他人へ感染させる危険も避けられる。
喉が渇きミネラルウオータを飲んでいると社長秘書がお腹に良いからと、マテ茶を沢山作って呉れた。ミネラルウオータより美味しい、しかし飲むとすぐ出る、出ると喉が渇く、悪循環が続いた。
あまり度々トイレに通うので、同僚たちが心配して、仕事をやめて病院へ行けと言う。
しかしプロポーザルの提出期限が数日後に迫っている。休むことはできない。病院に行けば、伝染病の疑いで、隔離病棟に収容される危険がある。仕事を続けるため、持参の薬を用いて、自分で治すほかない。かなり酷い下痢症を、医者に掛からず治した経験があるので、プロポーザルが出来るまで何とか頑張ってみようと、覚悟を決めた。

あまりに激しく下痢が続いたので、出口の粘膜が高速で通過する液体に傷つけられ、出血して痛みがひどく、ホテルまで歩くのが辛い、10分ほどの道のりがとても長く感じられた。

昼は紅茶だけで済ましたが、もう体力の限界で、夕食を抜くことはできない。現地の人が「レヤーのヒレステーキとパパイヤとじゃがいもを食べれば、かなりひどい時でも消化できる」と教えてくれた。夕食に試みる。下痢は止まらないが、食べたものはなんとか消化吸収できているようで、働く力が出てきた。

翌日、現地経験の長い日本人社員がブラジルの水道水で感染する下痢症の特効薬を呉れた、この薬はかなり効果があり、下痢の頻度が軽くなったが、容易に止まらない。
 
 翌朝も同じオーダーで済ませる。昼は紅茶で我慢し、夕食も昨夜と同じメニューにした。お腹が空くようになってきたので美味しく食べる。下痢は止まらないが、食べた物はほぼ消化して、大量の液体に溶けたような形で、姿を現す。

 5日間毎日、同じような食事を続けて、下痢と悪戦苦闘しながら、プロポーザルを完成させて、提出した。ほっとしたためか、特効薬が効き出したのかようやく下痢が止まった。
ホテルで体重計を借りて量ると5Kg痩せた。体力と気力の限界での闘いであった。

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