中国水

数年前、高校の旅行で中国に四泊ぐらいしたのですが、正直な話、その四日間、常に腹の調子が悪かった記憶があります。毎日違う物を食していたので、原因と言えば水しか思い当たりません。
恐らく、歯磨きとかうがいとかで口に含んだ水を、ほんの少量飲んでしまったのでしょう。侮れません、中国水。

前置きが長くなってしまいましたが、これはその旅の中で、一番窮地に陥った時の話です。

それは、電車での長距離移動の最中の事でした。

乗り込んだ時点では腹痛などもなくとてもリラックスしており、友人との会話を楽しむ余裕さえ残っていました。
しかし・・・、その余裕は、すぐに消し飛びました。

唸りを上げる腸、止まる事無く分泌される酸っぱい唾・・・。

危険を感じながらもしばらく我慢していたのですが、それは結局虚しい抵抗でした。
菊門を精神力で締め上げつつ、平静を装って、ようやく車内のトイレまで辿り着きましたが、

「・・・！？か、紙がない・・・？」

仕方なく、もと来た道を引き返し、友人にティッシュを貰いました。この時ばかりは、その友人が神に見えました。

再びトイレに舞い戻りましたが、その後、目的地に着くまでのほとんどの時間をトイレ内で過ごし、電車内での思い出＝トイレとなってしまいました。
しかし、一生消える事のない傷を負わずに済んだので、嬉しいやら悲しいやら、ほんの少し複雑な気分でした。

ちなみに、他の連中は全員無事でした。ナゼ？・・・まあとにかく、水は怖いって事で。

次海外行く時は、水持っていこう・・・。