天然カキ … 獲れたてピチピチ

去年の8月帰省した折、いとこを釣りに誘った。
が、どうせ何にも釣れないから、網を持って行って何か獲ろうと言う事になった。
海に行く場合、網は必需品である。
カニやらウニやらタコなんかが現れた場合、これさえあれば後悔しないのである。
我々は夜を待って良く知ってる漁港に行った。
網を持って徘徊するのは余りにも怪しいからである。
その漁港はかつてゲロマズな"謎の巻貝"を採集した至近にあり、
私はいとこに「巻貝だけは獲るな。あれは食えん。」としつこく注意した。
さて、海中を覗いて見ると、謎の巻貝以外めぼしい物は何にも無い。
「あれツブじゃないのかい？獲るべさ。」
「これが例の巻貝なんだ！！絶対ダメだ！！」
しかし岸壁に、ガベガベゴワゴワした気色の悪い物体がこびり付いている。
私はそれがカキである事を見破った。
誰も獲らないから巨大化してしまった天然ガキである。
最初は気持ち悪がっていたいとこも、カキだとわかった瞬間目の色を変えた。
無我夢中で5kgくらい獲ってから、いとこの家で焼いた。
しかし2人とも食あたりが怖くて箸が出せない。
「カキはRの付いた月に食べたらいいんだったかい？」
「いや、付いてない月じゃなかったか？」
いとこはすかさず友人を呼び、その友人は「うまいっしょ、これ！」と、喜んで食べた。
それを見た我々はようやく安心してカキを食べる事ができた。
これが旨いのなんの、もう悪食なんて言わせないと言った所か。
しかし、寝ようとしたら突然の吐き気が。
まあ、安酒に悪酔いしたんだろうと思っていたら、突如強烈な腹痛が。
もうゲロ＆下痢オールナイト祭り状態で、カキがすっかり出たのが良かったのか、
朝には症状が治まった。
だが、いとこ及びその友人はケロッとしていた。
多分私だけがハズレを食って、当たったんだろう。
運があるのかないのかさっぱりわからん。