カキフライ(下)

　そして帰りの電車の中、カキフライは俺に強烈な一撃を浴びせました。電車に乗る前は少し症状が治まったかと思ったのもつかの間、帰路があと残り３分の１という所で突然お腹がゴロゴロ鳴り出して、このまま電車に乗っていたら間違いなく漏らしそうだと判断したので途中下車してベンチで横になりました。この時にはもう冷や汗ダラダラです。それでもこのままでは危険だからとりあえずトイレに行こうと思って階段を登ろうとすると、足にうまく力が入らなくなっていました。それでも無理して登り、用を済ませ、キオスクでミネラルウォーターを購入。この時は、さらに耳が聞こえづらくなっていました！目の前が最高頂に真っ暗になったのもこの時で、まさに死を意識した瞬間でした。
　あまりにも俺の顔色が悪かったせいか、途中でお年寄りに席を譲られましたが、ここで座ってしまうと立った時に漏らしそうだったので、立っているだけでも辛いけど我慢しました。それでもなんとか気力だけで家に帰ることができました。そしてすぐに病院へ直行。食中毒と診断されました。数日後、同窓会のメンバーから連絡が入り、カキフライを食べた人が同様の体験したという事を知りました。あの時は紛れも無く人生最大のピンチ・ワースト5に入るくらい危険でした。