そば屋のゆで卵

胃腸に学習能力が無いのかもしれませんが、ちょくちょく悪いものを食べてしまい入院の一歩手前までいくことがあります。
この話は今から8年程前に私が外回りの営業職についていた頃の出来事です。
その日は8月の初旬、気温は38度を超えるような猛暑の日でした。
あまりの暑さに仕事をする気も起きず、同僚達4人と仕事をサボり、パチンコ屋で待ち合わせて午後の3時ごろまで食事もとらずに打ち続け、パチンコ屋の駐車場にあった立ち食いそば屋にて遅めの昼食をとりました。
そこで私を含めた3人がカゴに入ったゆで卵を食べたのですが、その時に私がゆで卵を食べつつ思ったことは、「草津温泉の匂い?」
でしたが私もその時はたいして気にもとめませんでした。
が、その後自宅に戻り7時をまわったころから体がだるくなり、微熱が出てきました。
風邪かと思い早めに布団に入って寝たのですが、しばらくしてから激しい嘔吐感と、まるで誰かに腸をかき回されるような腹痛が一気に襲ってきました。
それからは休む間もなく嘔吐と下痢が交互に続き、トイレから離れられませんでした。
翌日の朝、口にするものはすべて吐くか下痢してしまう有様で体力が著しく低下していた私はトイレの便座に座っていたのですが、突然襲った目まいがするほどの腹痛に気が遠くなり、そのまま失神してしまいました。
幸い1時間ほどで意識を取り戻しましたが、パンツをおろしたままでトイレの床に突っ伏した状態でしたので、もしこのままあの世に行っていたら、さぞ両親は嘆いたことでしょう。
結局5日間ほどで私の症状は完治しまして会社に復帰したわけですが、ゆで卵を食した残りの2人に関してはそれぞれ7日と5日の病欠にて完治したようです。
まさかパチンコ屋でサボっていて、そこで食べたゆで卵にあたったというわけにもいかず、悪性の風邪に同時にやられたということになりましたが、同時に3人が寝込む風邪というのも不自然ですね。
ちなみに例のそば屋は私達が復帰してきた後にほどなくして閉店してしまい、店主の行方も知れません。