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| No.901 投稿者/ばんでらす | 2005/07/23 |
石灰 … 撒きたてほかほか
| 私がまだ保育園に通っていたときのこと。
多分あれは運動会の前後だったんだと思います。
保育園の運動場には石灰で線が引かれていて、それはまだ新しく、真っ白できれいでした。
所々石灰がこんもり山になっていたりして、私は、
「おいしそう。お砂糖みたい。」
なーんて考えていたのです。もちろん石灰なんていうものを知るはずもなく、
「食べてみたい」
という好奇心に駆られました。
でも、いつ食べようかと考えました。他の子達や先生に見られないでこっそり食べたかったのです。
子供心に自分だけで楽しみたいとか変なことして叱られるかもという頭があったみたいです。
そして、保育園から帰る前の、みんなが教室から運動場に出る時にやることにしました。
帰りの時間、みんな教室を出て下駄箱で靴を履き替えます。もちろん私も。
そのとき、私は段のあるところに腰掛けて靴を履きました。その足元にはあのおいしそうな白い粉が・・・。
靴を履くときに何気なくかがんでその粉をチョロッと指に取りそのまま口の中へ・・・。
「ぐえっっ」
舌にのった瞬間焼けるような痛みと物凄い苦さが口の中に広がりました。
「何じゃこりゃ!おぇぇぇ〜!まっず〜!!」
叫びたかったもののばれたら先生に叱られるし、なにしろ口の中は火の車でしゃべることも出来ず、
慌てて側にあった手洗い用の水道へ。
おぇおぇ言いながら水で何回も口をゆすいでも、強烈な苦さと舌のヒリヒリ感は一向に取れず。
とうとう、運動場で園長先生が全園児にさようならの挨拶をしている間中ずーっと、
一人水道で口をゆすいでいました。
母親が迎えに来てからもしばらく帰れず、口をゆすぎ続けました。
何であんな物なめたんだろう・・・。
何年もたってからです。あれが石灰だったという事、食べてはいけない物だったという事、
そして石灰は水分を含むと高熱を発するということを知ったのは・・・。
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