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| No.1829 投稿者/なの | 2022/06/25 |
トースト
| 大学生の時。夏休み中実家に帰り、非常にダラけた生活を送っていました。
朝(というか昼)母親に叩き起こされ、食卓に向かうとこんがり焼けたトーストが用意されていました。
優雅にトーストをパクリ。
なんか美味しくない。何となく香りが良くないのです。
「おかーさんなんかこのパンまずい…」
「ええ?さっき食べたけど何ともなかったよ」
そう言うので勘違いかな、と思いもう一口。
やっぱりなんか古びたような味でまずい。
更にもう一口。
雑巾の香りが口いっぱいに広がりペッペと捨て、余韻をコーヒーで流し込む。
すると、こんな会話が繰り広げられているのにパンをつまもうとしていた父の悲鳴が。
食パンにはうすピンクの斑点が。まるで現代アートのよう。
更に、さっきまでかじっていたトーストを裏返すとぼんやり浮かび上がる焦げ目に擬態した斑点。
暫くパンが食べられなくなり、それ以降は買って念入りに中身を確認し、冷凍するようになりました。
ちなみにこのパンは賞味期限以内でした。
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