もうひとつの
激痛物語
第16話


◎河童の甲羅

第13話でカマボコ型の台で練習のときと同時に河童の甲羅のような型をとりました。
術後その甲羅に仰向けになったまま1ケ月程寝たきりのまま過ごすことになりました。
手術した傷口を下にしたままです。
回診で診察や治療の時だけ横向きにしてもらいます。
まだ23才そこそこの若造が、
看護学校出たてのうら若き乙女に、下の世話になることになったのです。
今の年ならまだしも、、、。
これは激痛病棟Xでした。
それから約1ケ月後、傷口も塞がり、今度はチョッキ型のギブスをつけます。
ちょうど胃袋のあたりを直径15cm程丸く切り取ります。
食事の後苦しくならないようにするためです。
このギブスをつけると取りあえず、歩行訓練が始まります。
1ケ月程歩いていないと歩行を忘れるものですね。
勿論、術後という こともありますけど。
どうにか自力で歩けるまで1週間程かかりました。
右に傾くと右に行ったまま。
左に傾くと左に行ったままの1週間でした。

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