ドンタコス通信
ドンタコス通信


さあ、やってまいりした。楽しい楽しいドンタコス通信の時間だよ。
今日は久しぶりにI野が大暴れしてくれます。
では、どうぞ。


カサ
愛用のカサをどっかに置き忘れてしまったらしく、折りたたみ傘しかな
いので長い傘を買おうと思って傘屋さんに行きました。
すると店主のおっさんがN村の欲しい傘が分かるというではないか、見
せてもらったのは、なんと番傘。しかも、かっこいい。いかにも手作り
という感じが最高。一つ一つ組んである竹製の傘の骨が動いているのを
見ると感動してしまう。
8500円と1万5000円のがあって、8500円の方は原価の80
00円にしてくれると言ってくれたのですが、お金が無いので買えませ
んでした。
今度、買いに行きます。


カーナビ
初めてカーナビが動いているところを見ました。自分の現在位置が刻々
と変わっていく様は感動もんです。
確かにナビがあれば迷わないだろうけど、初めての場所に行く面白味や
新鮮味が半減するようにも感じました。道に迷わないという安心感を得
たかわりに、先の見えないドキドキ感を失ったような気がします。
それと、ナビに慣れきってしまうと、本当に迷った時にパニックに陥っ
てしまう人間が出てくるのではと思います。長い目で見れば、自分の予
想外の事が発生した場合に対処方法を考えることができなくなる気がし
ます。それは極端な話ですが、トラブル時の行動までの時間は確実に長
くなってくるでしょう。
はて、そのナビでのドライブ中に飲酒の検問がありました。ここで、N
村は考えました、検問情報をナビに表示して自動で迂回ルートを表示で
きないだろうか。
情報はどんどん変化するので、検問に遭った人が情報管理センターに検
問情報を携帯で連絡。この時、ナビと携帯がリンクしており、ナビの位
置情報を携帯のメール機能で送信できるようにすることで、情報の送り
手と受け手の認識違いを極力排除します。
こうする事で送り手はボタン一つで手軽に情報発信ができ、受け手のオ
ペレータにかかる人件費も少なくて済みます。
そして、ナビから検問情報が出力されたが、実際に検問が無い場合は検
問解除を送信します。
完璧なシステムだ。技術的には可能だと思うので、カー用品店かどこか
が開発してくれないかな。
それとできそうなのが、パトカー位置表示システム。ナビに現在パトカ
ーがどこに居るのかを表示させるものです。これがあれば検問システム
は入らない気もしてきた。
やり方は大きく2種類あります。一つは警察のシステムにパトカーの位
置をセンターで表示させるものはあると思います。ということはパトカ
ーからなんらかの情報がセンターに送られているわけです。それをイン
ターセプトして、データ変換する方法です。
もう一つはパトカーから送られてきた情報を途中で取得するのではなく
て、センターの表示情報をとってくる方法です。腕に自身のあるハッカ
ーなら可能でしょうが、N村はそんなことができないのでパス。
別の実現方法として、先のパトカー位置表示システムを警察に売りこむ
のです。つまりパトカーに別のパトカーがどこに居るのかを表示させる
ナビシステムを開発します。そして、開発中に自分もそれを利用できる
ように抜け道を作っておくのです。
これで下準備は完成したので、そのシステム利用権を高く売ると。これ
だと、本当に実現できそうだ。FECと共同で開発するか。


I野が車を買い換えた、というか前の車が逝ってしまったので、仕方な
く買ったのが真相であるが。
そのうち、I野がN村屋敷に車で来るに違いない。
ピンポーン。
呼び鈴がなったので、N村は読んでいた本を閉じて玄関を開けた。
そこにはI野がうれしそうに立っていた。
「ほらほら、N村さん見てくださいよ。中古ですけど車を買い換えまし
たよ。」
N村が玄関から首だけ出して外を見ると、確かにI野が今まで乗ってい
た車と違う車が駐車してあった。
「おおっ、ついに買い換えたんだ。よくそんな金あったな。」
「それが、聞いてくださいよ。なんか店は悪の秘密結社FECとかいう
店で無茶苦茶怪しかったんですけど、値段が安いんすよ。いくらしたと
思います。」
「うーん、中古だろ。で安いか。本当に安いやつは10万きるからなあ。
でも、14万円。」
「ブッブー。もっと安いっす。」
「まだ、安いか。じゃあ10万をきって、8万。」
「まだまだ。」
「えっ、まだまだ、いったいいくらの買ったんだ。じゃあ5万。」
「おっ、かなり近くなってきましたね。」
「ええーい、1万だ。」
「ピンポンピンポン。本当は1万1500円なんですけ<どね。まあ四捨
五入で1万円で正解でいいです。」
「マジにそんなに安いの、その車って大丈夫?」
「全然、平気っすよ。この車、実は安いだけじゃなくて変形するんです
よ。」
「?、変形。それって形が変わるって事。」
「そうそう、しかもロボットに。」
「はぁ、ロボット。えーと、1万円っていうのは信じるけど、それは冗
談だろ。」
「あー、信じてませんね。ちょっと待っててください。今から変形させ
ますから。」
I野はそういうと、アパートの階段を降りて車に乗りこんだ。
エンジンのかかる音がして、I野が運転席で何やら操作していた。
すると、目の前で信じられない光景が起こっていた。本当に車が変形し
ていったのだ。ガッチャン、ガッチャンと音をたてながら、車だったも
のは2.5mぐらいの人型ロボットになっていた。
お世辞にもかっこいいとは言えないが、明らかにそれはロボットであっ
た。しかも、妙にゴツゴツした感じに本当に変形したのだという説得力
があった。
I野の姿は見えなくなってしまっていたが、向こうからはこちらの様子
が分かるようだった。こっちに向かってロボットが手を振っていた。
「どうですか、驚いたでしょう。」
どこかに拡声器が付いているらしくて、I野の声が聞こえてきた。
N村は目の前で起こっているを脳が受け入れきれずにパニックを起こし
かけていた。
そんなN村の気持ちを知ってか知らずか、I野はさらに次の行動を開始
していた。
「これだけじゃないんですよ。実はロケットパンチが撃てるんですよ。
見てて下さいね。」
えっ、今、あいつ何て言った。なんかロケットパンチとか言っていたよ
うな。
思考能力をほとんど失ったN村の見ている前でI野の乗ったロボットの
真っ直ぐに伸びた右腕がN村の方に向かって動いていた。
まさか、本気か。しかも何でI野はこっちに向かって撃とうとしている
んだ。見せるだけなら、こっちに向ける必要なんかないだろうが、この
バカ野郎!!。
「ロケットパーンチ!」
強烈な爆発音と共にN村の身体が強風に飛ばされそうになった。
N村は恐る恐る目を開けると、N村の隣の家に直径80cmぐらいの大
きな穴が開いていた。その穴からは太い鎖が垂れ下がっており、その先
にはI野のロボットがあった。どうやらロケットパンチと本体はその鎖
で繋がっているようだ。
ロボットは鎖を巻き取って飛ばした自分の腕を回収した。
「じゃあ、今度はもっとすごい技にしますね。」
N村はもういいから、やめてくれと思っていたが、思うように声が出な
くなっていた。
「今度はタイフーンロケットパンチですよ。」
ロボットの右手が肩からグルグルと周り始めた。最初は目で追えるぐら
いのスピードだったのだが次第に回転速度を上げていき、目に見えない
早さになり、キーンと甲高い音がしてきた。
N村の耳で聞き取れないぐらいに回転音が高音になった時、ロボットの
右手が再び発射された。
今度はN村の真下の部屋に命中した。
穴の様子を見ることはできないが、さっきよりも大きな穴が開いている
だろうという事は容易に想像できた。
「はっはっは、どうです、すごいでしょう。」
I野の悪気は感じられない声が聞こえてきた。
N村は何か言ってやりたかったが、目の前の現象を頭が拒絶していて、
何も言うことができなかった。
「あっ、すいませんN村さん。もう帰らなきゃ、巨人の星の再放送に間
に合わなくなるので帰りますね。」
I野はそう言い、ロボットの右腕を回収すると、ロボットの足の裏から
ジェットエンジンを噴かせて空の彼方へ飛んでいった。
ロボットが去った後には大きな穴が二つ開いたアパートと呆然と立ちつ
くすN村だけが残されていた。
みなさんも、車を最近買った友人がいたら注意しましょう。


そういうわけで、今日のドンタコス通信も無事終了。
いやー、I野の大暴れで気分爽快、心晴れ晴れ。ありがとうI野、これ
からもネタを提供してくれ。


ドンタコス通信990920号
ドンタコス通信991004号
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