image

image
はっし〜


第215話 退院 そして
(安心度レベルA)




退院後、数ケ月が過ぎていた。


すっかり腰の傷のみも無くなり、先生からの許可でコルセットも外れていた。


ヘルニアから復活したはっし〜。


普通の生活が戻ってきていた。


あと、数ケ月もすれば、大好きなスキーができるようになる。


そして、なによりも嬉しかった事は





足のみが無くなった事。





麻痺が無くなった事。





痺れが無くなった事だった。









当時、自分にとって、手術という選択は悩みました。


体にメスを入れる事自体、怖くて仕方がなかったのです。


しかし、結果論から言うと、手術に踏み切って正解でした。


それは、なんと言っても、あのから逃れられたからです。


あのみは、ヘルニア経験者なら分かるかと思いますが


耐えられるものではありませんでした。


どれほど、自分の足が無くなれば良いかと思ったほどのみ。


そのから、おさらば出来たのは、なにより嬉しいものでした。


当時、お世話になった、先生。


看護婦のみんささん。


リハビリで、足の動きを復活させてくれた先生。


同室で自分を励ましてくれたみなさん。


ほんとうに、ありがとうございました。


心から、感謝しております。











そして、時は流れた・・・








ヘルニアのを忘れて、七年という月日が過ぎ去ろうとしていた。


安息の日々を過ごしていたはっし〜。


そんなはっし〜に、悪夢がヒタヒタと陰を潜めて忍び寄り


確実に、そして、人生最悪の日が迫ってきているなど、知る由もなかった。


そう、本当の悲劇は、これから始まろうとしていた。








第一部 完





【戻る】 【次へ】