激痛病棟
(体験談)

連載レポート03
投稿者:匿名希望
02/06/13
○単なる診察編2

医「これはどうですか?痛いですか」
痛いに決まってるでしょう!
あの楽ちんなMRでさえ痛がる私よ!
私「いや、まだ大丈夫で・・・・いやは、っ、いっ、った、痛っ、あっ」
額に早くも脂汗が走り、コンタクトレンズが浮いてくるのが分かります。
医「・・・痛い?走る痛みですか?」
私の表情を見ればあからさまに分かりそうなところを、
私と同年代の主治医はていねいに訊いてくださいます。

「は、はっ、はっし、走ってます!!」

医「これでどうですか?」
仰向けで片足伸展して持ち上げた主治医は、
さらに私のつま先を反らせようとしました。

「ぎ、ギブ、ギブギブギブギブギブ」

片足が上がったまま、すなわち激痛が継続したまま。
私は痛さのあまり、
思わず両手で支えて腰をベッドから浮かせました。
とっさに、持ち上げられた片足の角度を減らそうとしたのです。
私「うっ、あっ、はっ、す、すみません」
なぜか謝る自分。
医「あ、ごめん、ちょっとその手、やめてくれる?角度分からないからね、背中をべッドにつけてね」
そう。
これは、たかだか診察。
神経根に針が触れたわけでも、
椎間板に薬液を注入されたわけでもなく、
単に外来のお決まりのパターンなはず。
(ちゃんと寝たまま検査受けろよ)
その通り。でもでも。
私「いや、で、できません。すみませんダメです」
泣きが入りました。
「予感」がするのです。
思わず浮かせた腰、
1ミリでも下ろそうものなら激痛が走るような、
予感がするのです。
腰痛経験のある諸兄方ならご理解いただけますよね?
そう、あの不吉な激痛への前触れ、しかも必ず的中する、あの

「予感」
が。

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