もうひとつの
激痛物語
第10話


◎五分五分

帰郷してまず最初は、やはり造影剤投入によるX線撮影からです。
この時の、この造影剤が後で問題になりました。
なぜなら、当時の造影剤は、現在の造影剤と違って脊髄に残留するそうです。
青森での一回目と、一ケ月に二度も脊髄に造影剤を注入しているのです。
現在の造影剤は、一週間ほどで尿と一緒に排泄されるので心配ないそうです。
造影の結果は、やはり四五間腰椎で造影剤が先細りしていました。
ここての結論もやはり手術でした。
成功するかどうかは五分五分です。
うまくいかなければ、下半身不髄も覚悟せよとのことでした。
そこで、あの青森での出来事が手術の決意をためらわせたのです。
手術をせずに出来る治療を懇願しました。
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