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○手術、そして・・・2


苦レベル


★★★★★


次に気がついたときは自室のベッドの上でした。


何人かでストレッチャーからベッドへ移し変えしてくれたような気がします。


「予定通り取り除きました。1時間ほどしたらまた来ますから。」


自室まで連れて来てくれたIN医師がカミさんにそう言ったそうです。


そのときのIN医師の手術着の前の部分が


血ではないけれどかなり汚れていたというのが印象に残ったそうです。


その後カミさんに呼ばれて返事はしているのですがどうも呂律が回らない。


カミさんが渡してくれた携帯で娘と話したときもなんか呂律が回っていない。


娘の


「おつかれさま。」


という言葉だけは頭に残っているのですが。


でもなんか足が軽いような気がする。


1時間ほどしてIN医師が再びカミさんに詳しく説明してくれたそうです。


「M助教授が丁寧に取り除きました。1ケ月はください。」


「なんか足が軽くなった気がすると言ってますが…。」


「座薬も入っていますし、その影響もあるので…。」


カミさんはこのときのIN医師の口調に


「すぐ治ったというようなことを言うのは早すぎますよ。」


という感じに受け取ったそうです。


「神経をかなりユルユルにしてあります。


1ケ月はかかると思ってください。」


さあこれから後が大変。


なんか身体のあちこちにいっぱい管やら線やらついていてまるで金縛り。


いや待てよなんかホカホカ暖かい。


そうか自分のベッドに手術前には無かった電気毛布が敷いてある。


ふむなかなかのサービスだな。


オッそのかわりかけ布団が無くなっていてかけは毛布だけだな。


む?パジャマを着ていないぞ





おぃおぃパンツもはいていないじゃんかぁ〜。





肝腎な部分にはバスタオルが1枚あてがわれているだけだぞオイ。


カミさんが後で言った表現では


テレビのサスペンスドラマで見る遺体解剖のイメージそのものだったそうです。


それに肝腎な部分のこの違和感





これがあの怖れていた尿管カテーテルなんだ





気持ち悪いし意識するとなんかチクチクするような…。


それから朝までの時間の長いこと長いこと…。


途中で午前3時頃検温やら血圧計測やらでやってきたナースに訴えます。


「もう飽きてきたんだけど…」


「後3時間の辛抱です。朝になったら全部はずしますからね。」


「喉がいし口がネバネバするんだけど、水飲んだらダメ?」


「ダメです。


手術の時に気道を確保するのに管を無理に入れているので


それで喉がいんだと思いますけど大丈夫ですからね。


ガーゼを水に浸して拭くだけならいいですよ。」


比較的可愛いナースなのにつれない返事。


カミさんがガーゼを絞って口を拭いてくれましたが


ネバネバ感は余りとれません。


体勢がほとんど変えられない


「受難」とはこういうことをいうのかと思ったくらいです。


5時頃尿意を覚えましたが当然カテーテルがついています。


このままやっていいんだろか?


チョロッとやってみましたがなんか変な感じ。


布団の中へこぼしてしまいそうな気がします。


やめたやめた


後1時間の辛抱だ





がまん、がまん…。





まんじりともせずに迎えた午前6時。





やってきてくれたナースがまさに天使に見えました。





鼻につけられていたていた鼻腔酸素の器具


胸についていたのは心電図計器でしょうか


点滴もいったん外してくれました。


その後ナースが毛布の裾をめくってきました。


おぃちょっと待ってよ。


こんな状態でもまだまだ羞恥心は残っています。


でもやめてもらうわけにもいかず


カテーテルを外してもらってやっと解放された途端に


ようやく手術創のみを意識するようになりました。


ナースが出ていった後やっとパンツとパジャマを身に着けたわけですが


人間ってこういう事態でのスッポンポンってのは何とも心細いものですね。





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