image

image


○I整形外科受診


アイタタレベル


★★★☆☆


I 整形外科受診を翌日に控え


上司の部屋で打ち合わせをする機会があり報告をしておくことにしました。


明日の診察の結果によっては入院することになるため


しばらく病気休暇を貰うことになるからです。


実はこの上司もヘルニアらしく


持ちであることは前から知っており


ときどき近くの整形外科で牽引をしているということでした。


また私の仕事の属する分野を総括するMRさんにも報告したのですが


彼は数年前にS県のO市民病院でヘルニア手術を受けたそうで


「まだこの左足の先が完全に反らないんですよ。」


と言っていました。


「要は、どこの病院というより“名医"にかかることが大事ですね。」


自分が正常なときは


上司やMRさんがみを持っていることなどほとんど気にもなりませんでしたが


類は友を呼ぶというのか同病相憐れむというのか


妙に親近感を感じました。


さて翌日


はっきり言ってこの日I 整形外科へ向かうときも


この病院なら安心だろうという確信はまったくありませんでした。


高速道路のいつもは通過しているインターチェンジを初めて降り


カーナビに頼りながらS町のI 整形外科第一病院へ向かいました。


水田地帯に囲まれた町並みというより集落の中にその病院はありました。


二階建てでそれもさして大きくもなく


もちろん新しくてきれいでもなく


「ええんかいなぁ〜。こんなとこで…。」


という不安な気持ちをまず持ちました。


男女の出会いなんかでもそうなんでしょうが施設にしても何しても


人間どうしても外見・第一印象でものごとを判断しようとしてしまいます。


そうした観点から言うと


自分の身体、場合によっては生命までをも託することになる医療施設は


その建物が「大きい、新しい、きれい」というだけで


ある程度の信頼感を持ってしまうんでしょうね。


その点私の住むQ県にあるQ大学附属病院や国立Q中央病院、今回も受診したS


中央総合病院などは建物を見ただけで圧倒されてしまい


「ここならいいはずだ」という先入観を持ってしまいます。


ところが私が訪れた病院は


駐車場も舗装部分はわずかで大半は未舗装


待合室も狭くて長椅子が3つ程度


事務所も茶髪のお姉さんが2人程度


「う〜ん、ほんとにええんかなぁ。」


施設で金をかけられないからインターネットで患者を呼び込んでいるのかしら?


唯一の救い(?)は待合室に鎮座するそれこそ大きなノッポの時計


そこには「I君博士号取得記念」という院長の友人かららしい揮毫があり


その博士号というのが


「レーザー利用による椎間板ヘルニアの治療」らしいことが書いてあったことです。


「ほぉ〜、やはりここはヘルニアではその道の権威なんだ。」


とりあえず信じてみようという気持ちになりました。


受付でMRIとレントゲンの写真を預け問診票を書いてしばらくすると


廊下の奥の方から白衣を着た男性に呼ばれました。


「MRIを院長に診ていただいたところ一部不鮮明なところがありますので


追加で撮らせていただきたいんですが。」





げっ、また悪夢のMRIかよぉ〜っ





「追加ですのでそんなに時間はかかりません。20分くらいです。」


ということで奥の方のMRI室へ行きMRIを撮りました。


これまでの2回のMRIとちがって密閉されたトンネルの中ではなく


開放型というのでしょうか


頭の上や顔の左右が空いているため比較的開放感があり


時間が短いこともあって足のみを感じるまもなく終わりました。


さていよいよ診察室へ呼び込まれました。


院長は赤ら顔のでっぷりした人です。


「やはり、ヘルニアと脊柱管狭窄症ですね。」


とMRIと模式図で説明してくれました。


「わかちゃんの場合、レーザーは無理です。」








ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ





「椎間板が狭くなり過ぎていてレーザーの針が入りませんね。


手術することになりますね。」


せっかく最新医療としてのレーザー治療を決心して来たのに…。


「手術と言っても顕微鏡下でやりますので


翌日には立ってトイレにも行けます。


およそ2週間くらいの入院で


その後1週間くらいの自宅療養でいけるんじゃないかと思います。」


いよいよ手術かぁ。


「手術はここじゃなく第二病院でやります。


ウチは大学から腕のいい人に来て貰っています。


A大学の助教授のM先生やB大学のN先生にL先生


どの先生も腕がいいですよ。どの先生にしますか?」


どの先生にしますかってもう手術することに決めるの?


え〜いっ、いつまでもウジウジしててもしようがない。


「じゃあ、そのM先生で…」


「そう?M先生にしますか。」


別にM先生を知ってるわけじゃなくて


院長が言った人の中で


単に「助教授」って肩書きがあったからってだけなんですけどね(笑)。


「M先生なら2月の6日か13日が手術ということになりますが…。」


どうせやるなら早い方でやっちゃえ。


「それじゃ2月の6日ということで…。」


「じゃあ、明日第二病院の方へいつもM先生とコンビを組んで来ているIN先生が


診察に来ますから


明日もう一度その先生の診察を受けてください。


そうすればわかちゃんの診察の内容はすべてM先生に伝わりますから。」


あれよあれよという間に第二病院での入院・手術を決めてしまったのでした。





【戻る】 【次へ】