『爆痛みか物語』
第108爆章

社会復帰
忍耐レベル
★★★☆☆

退院後、仕事に戻ったのは年度末。
約1ケ月の闘病で失ったモノと得たモノがある。
退院が早くできたのは、家庭の事情があっての配慮だった。
仕事復帰は、退院後4日目からだった。
4月から年度変わりで、販売計画などを立てる時期。
会議室にこもり、深夜まで数字の検討をしていた。
そんな中で、嫌みを言われたり…
迷惑をかけてしまったという負い目があるので、強く反論ができなかった。

好きで入院したわけじゃないんだよ…

小声でつぶやいたみかに…

「そんなもん、好きで入院されてたまるかぁ!」

上司の非情な言葉に何も言いたくなくなり、ひたすら仕事に打ち込んだ。

健康しか知らない人には何とでも言える。

課の違う定年まで数年の竹さんが出張の折り、駅まで送って欲しいと頼まれた。

「体調はどうだ?」

はい。
もう平気です。
「同じ立場にならないと人はわからんからな〜。
体も大変だろうが、精神的にも辛いだろう。

でも、頑張れよっ。」

普段の生活では、わからない人の中身を見られた。
文句を言わせない為にも、仕事に全力を注いでいくみかだった。

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