『爆痛みか物語』
第68爆章


悲痛レベル
★★★★★

できる事がないって…
どうすればいいんだろう。
入院して治せばいいに決まってる。
そんな簡単な事が、理解できないほど、情けない自分になってしまってた。
車に乗り込んだ時点から涙が溢れた。
痛くてたまんない。
だけど、こんな状態で家に帰れない。
トーイへ電話した。


病院だから遅くなるからと…。


行くあてもなく、ただ走る。
このまま、遠いとこへ行ってしまいたい心境だ。
現実から逃げたくなってた。
それで、何か解決するわけじゃないのに。
嫌な事があると海が見たくなるのはみかだけだろうか?
知多半島道路を走り、あてもなく海を求めて、ただ走る。
ずっと我慢してた。
こんな事で負けないと必死に我慢した。
ヘルニアになって初めて大泣きした。
声を上げて泣いた。
このまま治らなかったら、迷惑をかけるだけだし、痛みからも逃れたくて死んでしまいたいとさえ思った。


これがヘルニアなんだ…


車を空き地に止め、しばらく海を見ていた。
座ってるのが辛くて後部座席に移り、寝転んでみた。
携帯の電源も落とし、美希が血まなこになって探してるのも知らずに〜
生命保険いくらかけてたっけ…
そんな事を考えていたみかだった。

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