激痛ヘルニア物語
第146話

突然の腹痛 お願い
(激痛度レベルB+)

ナースコールで看護婦を呼んだ。
「はっし〜さん、どうしました?」
頭の近くにあるスピーカから看護婦の声がした。
お、お腹が痛いんですけど。
と、力の無い声で答える。
「今すぐ、行きますね」
看護婦が駆けつけてきた。
「お通じではないですよね」
はい。
「痛みはどういった感じですか?」
お腹全体がキリキリ痛く、差し込むような痛みです。

ここで、看護婦にダメもとでお願いをしてみた。
すいません、出来れば、寝返りをする事はできませんか?
そうすれば、お腹の痛みの気を紛らわす事ができるんですが・・・
「はっし〜さん、それは無理なんです。先生の許可が無いとできないんですよ」
やっぱり・・・
かなり辛いんですけど。
ダメですか?

「ダメです!」
う〜、お腹を押さえて丸くなりたい。
いいから、丸くなりたい。
気を紛らわす為に、お腹を押さえてのたうち回りたい。
普段なら、そうしているのに。
でも、許してくれない。
「ん〜、とりあえずお腹を暖めてみますか」

看護婦は湯たんぽを持ってきてくれた。

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