激痛ヘルニア物語
第122話

違和感 視線
(麻痺度レベルA)

執刀医は足の力を見ようとしていますが、こちとら全く動きません。
正直いって無駄です。
でも、執刀医が足の裏を押さえて
「足に力を入れて押してくれる」
う〜、このやろう!!



動け!このやろう!!



おりゃ!!



必死になって、自分の脳に向かって命令したが
まったく、動きません。
執刀医も諦めて次の検査に移りました。
足の甲を押さえて
「足首を反ってみて」
と言われたが。
これまた、全く動かなかない。
脳に動けと命じているのに、動かないこのもどかしさ。
疲れるだけだった・・・
「はっし〜さん、治るよ!! きっと・・・
落ち込んでいる私に向かって、励ましの言葉をかけてくれた。
うれしかった。
でも・・・


この時、執刀医の視線が泳いでいた事を今でも覚えている。
なんで、視線をそらしているのか不思議だった。

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