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レポート06
投稿者: せかいのヒロちゃん
03/04/23
○わかげのいたり〜転落〜





あれは、ハタチのころ。


サイクリングが好きで、いい自転車であちこち行ってました。


ある日、近距離でのサイクリングをすることになり、20人ほど集まりました。


全走行距離が、60km程度ということで


高校生から60歳ぐらいまでの、 けっこうな集団でした。


で、ボクはレーサーで参加したんです。


そのほかにも、大学生が5人くらいレーサーで参加してきました。


いなか道から、ちいさな山道に差し掛かったとき


はなっからペース配分なんて考えていないレーサーグループは


ここぞとばかり、競争になったんです。


忘れません。


舗装してある、緩くて長い下り坂。全力で飛ばしたんです。


その先に、右カーブがありました。


そのカーブは緩やかに見えたんで、そのまま回れると思ったんです・・・


レーサーが、下り坂で全力を出した場合


スピードは、70km/hぐらいに なります。


フランスやイタリヤの本格的なレースでは、100km/hを 超えるんですよ。


で、そのカーブ。


目の前には、カーブではなくて、突然の終了。


しかも、ガードレールもない狭い非舗装路。


眼が点になった瞬間、空中でした。


急斜面を、スキーのジャンプよろしく、雑木林の中に落ちて行ったんです。


太さが30cmくらいある木がたくさん生えているその間を


よくもまあぶつからずに転がって行ったもんかと、感心したですが


木の間を転がって落ちていきました。


いろいろなものが体にぶつかるのを、早く止まってくれ~って気持ちで 感じてました。


そのときは、みなど感じなくて


ただドドドドンドンと頭や、背中や、足や、 全身に感じ続けたんです。


止まったとき、やっと止まったとホッとしました。


で、身体を動かす前に、すぐ全身の機能チェックをしたんです。


まず、手。


指を一本づつ動かす・・・


よし動く。手首は・・・よし。


次、足・・・よし。


というぐあいに全身をチェックして、これなら動いてもいいと安心。


ところが起き上がろうとしても、力が入らず、動けないことに気づく。


あれ?


と戸惑っているうち、上のほうから


どこへ行ったかわからんぞーっと言う、仲間の声。


こっちだーっと、叫ぼうとしたら、声がでない。


あせる。汗汗


手も振れない、見上げても、草と木で、なんにも見えない。


これじゃあ、行方不明じゃないかっ。


コマッタぞっっっ


ぐたっとして、そのうち見つかると開き直ってた。


なんとか発見されて、なんとか登って、その後、自転車をこいで


帰ってきた自分も信じられないくらいですが。


自身は、全身打撲で済んだのが不思議なくらいでした。


自転車は、木の枝にぶら下がっていたそうです。


どうやって、登ったのか覚えていないですし


その後、1カ月ぐらい腕は上がらないし、歩くことも苦しかった・・・


頑丈なレーサーは、どこも壊れていなくて助かった。高い自転車だからねえ


いま、部屋に飾ってあるです。





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