image

image

ほみの激痛物語 第21話
○ご対面3(受傷後5日目)





それでもあきらめずにさがす療法士さん。


がさごそ…やってるそばで


立ち尽くすあたし。


半ばあきらめかけたその時…





「これはダメっすかぁ?」と1組の杖が。


なんだけど…


「ちぇ…木製か」→心の中で思った。





最近はアルミ製の杖が主流で


あたしも基礎知識として、ネットで杖の種類


使い方、注意点などを調べてあったんだけど


初めての松葉杖が木製かとチョットがっくりきた。


「もう次はないんだからさ」→これも心の中で思った。





そして、また身長に合うように微調整。


だけど、しばらく使ってないせいか


ネジが硬くて、女性の療法士さんじゃ手におえない


若い小太りの療法士(男)を呼んで調整させる。


…うっ…硬…ぎぎぎっ…


と言いつつ調整終了。





やっと練習に入れることになり1歩ずつ杖と足を出す


タイミングの練習をする。


1歩杖を前、次に足…


よっこらしょ。せーの…と、つい声が出てしまう。





そうやってリハビリ室を何往復かしたところで


背中にい視線を感じた。何だろうと振り返ると…


以前、整骨院で知り合ったおばあさんが見つめていた。





軽く挨拶をして、また続きをやるかと思ったら


「どうしてそんなことになったのぉ??」と聞いてくる


あんまりかかわりたくなかったので


「足ふまれちゃったんですよ」と答えると


「車にかい?かっただろうに…」


……(違うったら)無言になった。





一通り練習も終わり、最後に


「階段は使う?」と療法士に聞かれたので


「使いません」と答えた。


もし、使うのならば杖を持って歩いてとかいろいろ説明はあったんだろうけど


早く終わりたい一心でザッとしか記憶していなかった。





病院のローカは意外にすべる。


慣れない手つきで歩くせいか、体に力が入る。


何とか会計もすませて外へ出た。


その瞬間…凍った。すべてが…





出たその前の入り口が「階段」だった。





あせったあたしは、何を考えたか


普通に歩けばいいところを無理して杖をついたまま降りようとした。


その時


杖と杖の間に体が入らず…体が杖にぶつかり


みごと階段を落っこち、骨折してる足で着地してしまった。








はぁ…





【戻る】 【次へ】