『爆痛みか物語』
第60爆章

トイレ
ドキドキレベル
★★★★★

病棟の看護婦さんが迎えに来てくれて、車イスで病室に戻った。
「長くかかったね〜」

割れなかったんだって…
「えっ!?そうなの?」
うん
看護婦さんも、かける言葉を一瞬見失っていた。
病室に帰り、点滴をした。
しばらく安静にという事だった。
水分もたくさんとって、先生が言ってた
『明日になれば出てくる人』
になろうとした。
石が出ますようにと祈る気持ちでトイレへ行った。
尿管結石がわかってから、尿は全量ためるのだ。
プラスチックの容器にして、壺型の容器に移す。
その時、石が出ていたら底に残る。
容器には名前がシールで貼ってあり、なかなか恥ずかしいものだ。
この時は、消化器内科の病棟にいたので、泌尿器科のトイレは知らずに済んでいた。
破砕後の初トイレ。
いつものようにプラスチックの容器にした。

…………真っ赤!

ドキドキしながら、トイレについているナースコールを押していた。
「どうしました〜?」
これ………
「あぁ…
破砕の後は血尿が出たりするからね〜」
真っ赤な血尿…

その夜の戦いへのファンファーレだったのだ。

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