『爆痛みか物語』
第46爆章

親心
号泣レベル
★★★★★

行きも帰りも、美希の車の中でト-イは黙ったままだったそうだ。
大人には口数の少ないトーイ。
美希はトーイの気持ちも察して、敢えて話掛けず、
トーイの好きなポルノグラフティのCDを流してくれてたそうだ。
みかが帰りにコンビニに寄って、明日の朝食べる物を買ってやってと頼んだ。
美希がいろんな物を買ってくれたらしい。
家に着いて、トーイからメールが来た。
一応、みかの両親へ電話しておいてとトーイに頼んだ。
何度か、メールのやりとりをした最後に…

トーイがんばってね!
早く帰るからね!

みかの送った文章は確かこんなだったと思う。
その返事は…

わかった!
がんばる!

短い文だったけど、これだけは一生忘れられない。
これを見た瞬間に、我慢していた涙が次から次へと出てきた。
今、これを書いている時でも泣けてしまうくらい…
親の勝手で子供を作り、親の勝手で片親にした。
子供は文句も言えず、その運命に従うしかない。
だから余計に、余分な苦労なんてさせたくなかった。
元気な時には感じる事のできない気持ちが生まれていた。

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