激痛人生劇場


○ピッキング2 風景
目に飛び込んできた光景は、違和感の塊だった。
朝出かけた時と、なんか違う、おかしい、玄関から見える光景に
違和感を感じずにはいられなかった。
心を落ち着かせながら、考えた。
朝出かけた時の事を思い出す。
よ---く考える。
しかし考えれば考える程、朝出かけた時の風景と違う。
最初は地震があって、ものが散らかっているのかとも思ったが、
あり得なかった。
部屋が散らかっていたのである。
玄関に立ったまま、固まってしまった。
まさか、誰か部屋に居ないだろうか?
心臓がバクバク脈打ちだした。
息を潜め、人の気配を探った。
部屋のどこかに隠れていないだろうか?
心臓が早鐘をならす様にドキドキしだしてくるのが分かった。

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