激痛ヘルニア物語
第114話

酸素マスク
(いらいら度レベルC)

「はっし〜さん、手術が終わりましたよ」
うっすらと目を開くと、目から映る景色がぼんやりとしている。
「どうですか、気分は?」
今、いったい何時なんだろう?
外は、もう暗いのかな?
ん?今なんか聞かれたな。
「どうですか、気分は?」
担当医からの問いかけに、ようやく今いる自分の状況が把握した。
手術が終わって、今病室まで戻ってきたんだと。
自分の体を状況を考えてみた。
口に酸素マスクがかけられていた。
感覚的には、酸素が出ているんだか、出ていないんだか良く分からなかった。
しかも、うっとおしい為、
口にあるマスクが、なんかじゃまなんですけど、と担当医に言ったが。
「まだ、はずせませんよ」
なくても、大丈夫のような気がするんですけど、再度お願いしたが。
「でも、ダメですよ」
あ〜、うっとおしい・・・・
意識がだんだんとはっきりしてくると、今度はなにやら異物感に気づいてきた。

戀戻る 驪前黎次