『爆痛みか物語』
第97爆章

手のひら返しの術
激痛レベル
★★★★★

苦痛の20分間。
人生の中で
こんなに20分を思い出として
語れる瞬間など
そうそう巡ってもこないだろう・・・
そう思えるひとときだった。

車椅子を置いて歩いて・・・などと
言っていた技師さんが
マイクでアナウンスをする。

「終わりましたよ〜」

みかの体は脂汗から冷汗から
涙までもちょちょ切れておりますぅ〜状態。

技師さんが駆け寄ってくる。
放置プレイだったMRIの撮影前とは
手のひらを返したように
やさしくやさしくやさしい。

ドームの中から
ぐちやぐちゃの半泣きみか登場。

さっと手を貸してくれて
起きるのも手伝ってくれた。
外に置いてあった車椅子の所までは
歩いていかなくちゃなんない。
それも手を貸してくれた。

その態度の裏には
それなりのワケがあったからだった。

戀戻る黎次