激痛ヘルニア物語
第176話

コルセット ひさしぶりの地面
(激痛度レベルC-)


なんとか、なんとか気分も悪くならずに起きていられるようになったきた。
状況を見計らったように、先生がやって来た。
「はっし〜さん、起きていても気分が悪くならないようだから
そろそろコルセットを作りに行きましょう」
と。
そして、はっし〜はコルセットを巻く為にベット毎、別室に連れていかれた。
連れていかれた部屋には、なにやら鉄の棒のような物がおかれていた。
なんだろう・・・
「はっし〜さん、コルセットを巻く為に、立ってもらうから」
え、やっぱり立つの?
座ってやるんじゃないんだ。
甘かった。
「そこに鉄の棒があるから、それに捕まって立ってもらうから」
は、はい。
看護婦さんの介助によってゆっくりと、体が起こされていく。

しかし、妙に怖い。

背中に支えの無い状態で体を起こすのが、術後初めてだったからだった。
すごく不安に感じていた。
そして、体はどんどん、看護婦さんによって起こされていく。
背中が痛いと思っても、待ってはくれない。
背中に痛みが走るが、なんとか我慢できるので、だまって起こされていった。
そして、体はどんどん、起こされていく。
立ち上がる途中、背中に支えの無い状態でベットに座ることになった。
非常に不安定な感じがして、不安で怖かった。
そして、ひんやりとした感覚を足の裏に感じつつ、地面に2週間ぶりに足をつけた。
久しぶりの地面だ。右足の感覚が無くとも、うれしかった。


そして・・・・
これから待っている苦痛に、まだ気づいていなかった・・・

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