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レポート13
投稿者:ポンさん
04/12/06
○たかがイボ、されどイボ・・・





私が高校生の時に経験した治療


平成が始まろうとしていた年の出来事です。


それは





「イボ」





を液体窒素で焼く治療でした。


足に直径2ミリ程度のが一つ、指に直径1センチのものが一つありました。


皮膚科の先生は、





「はじめますよ〜〜〜〜」





と私の





「足イボ」





に何かを押し当てた。瞬間





・・・








「ぬおおおおおおおおお・・・」





乙女なのに声をあげた。





なんてもんじゃない





体がのけぞる、固まる、いや、足が動かない、しびれてる???


何が起きたのか解らないまま、さっさと手際良く先生が





「指イボ」





に綿棒を押し当てた。


タダの綿棒と思って油断した瞬間





「うぎっっっ・・・・」





もう声も出なくなっていた。


そう、を私にもたらした正体は、液体窒素をしみこませた綿棒だった





たかが綿棒、されど綿棒・・・





指に押し付けただけのはずが、肘までしびれてる・・・


というよりも、もうそれを越えて動かない・・・


動けない・・・





た・たすけ・・・て・・・





もう声も出ず、治療は終わっているにもかかわらず、涙がほろりとこぼれ落ちた。


最後に先生が一言


「よく頑張りましたね(笑顔)、大人の男性でもこれはがるんですよ。


また来週来てくださいね(笑顔)」


この日ほど先生の「笑顔」が鬼のような顔に見えたことは無い。





さて・・・と・・・帰ろうとするが、足が動かない・・・なんだこれ・・・


まるで骨折した時のよう、足がつけない。


腕も動かない。





まじか





私は変な汗をたらしながらいつもは歩いて帰る道を、タクシーで着払いで帰った。


親には





「たかがイボくらいでタクシー使うんじゃないわよ





と怒られたが、そこはどう言ってもたかが





「イボ」





悲しきかな誰も私を心配してくれない。


来週は歩くという約束までして母の機嫌を取った。


・・・たかが





「イボ」





で・・・





時は過ぎ、一週間後先生の一言で目の前が真っ暗になった


「はい、じゃあ今日も同じことするからね〜〜〜(笑顔)」


まじか・・・まじか・・・まさか今日もとは・・・・


恐るべし





「イボ」・・・





しぶとい・・・


その日、私は泣きそうになりながら家まで歩いた。


家までの距離がこんなにも遠く、果てしなく感じたことは無かった。


とてつもない時間をかけて歩いた。


みは1時間もすればおさまるが、


それまでが本当に、本当に、本当に、本当に地獄だった。


それを合計何回だろう5回近く繰り返し、やっと自然に憎き





「イボ」





は消え去ったのである。





それから数年・・・


ふと指を見ると・・・


消えたはずの





「イボ」





がまた・・・生え始めていた・・・


直径約1ミリ。


これなら・・・と病院の悪夢を再び経験するくらいなら自分で・・・


ゆっくり少しずつ剥離しながら消毒液を一応用意して引きちぎった。


・・・ん?全然楽勝


あのみに比べたら全然だ


ちゃんと根っこ(根と言われるものが残っているとまた生えるらしいので)を取って・・・


この時ちょっとかったかな。


血もたくさん出たけど、圧迫止血で全然オッケ〜


の記憶というのはすごい。


あの記憶が無ければ、このような無謀はことは絶対にしないであろう。





「イボ」





と油断していたせいで、記憶の中で恐怖が増していたのかもしれない。


私にとっては骨折と同レベルに記憶され、





Aクラスの度と特Aクラスの不意打ち度である。





あれからつが私の体から





「イボ」





が生える様子は無い。


まぁ、今は私も動物を治療している立場ですから、


出てきたら自分で外科的に取れば楽勝です。


もう皮膚科には





「イボ」





は取りにいきません。





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