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レポート11
投稿者:アバラさん
04/09/15
○ダイナミックなあざ





私は急いでいました。





急な下りエスカレーターをかなりの勢いで走っていました。


その日は雨でした。


すこうし滑りやすかったのですがかまわず走ったのです。





終わりが見えてきたとき私はバランスを派手に崩し


周囲にいた人を巻き込みながら


頭を、腹を、背を、顔をかばった腕を、指を、地に付こうと脚を


あらゆる部分をエスカレーターに打ちつけながら





転落していきました。





みぞおちをしたたかに打ったのでその場で呼吸困難になり


それでも急ごうと立ち上がったのですが


脳震盪のせいか


目の前が白くなりちかちかし始めました。


目のピントが合わず、どっちが前かわかりません。


地面がぐらぐらゆれ回り、足がもつれます。


酔っ払いのような足取りで


近くのサービスセンターに駆け込もうとしましたが


巻き込んだはずのおばさんが集まってきました。


なぜかイスやストレッチャーが目の前にあり、横にされましたが











私は呼吸困難で声にもならない声を上げました。


アバラを打ったので横になるともろに体の重さがかかり





骨がきしんでいくのを感じました。





その後、暗い意識の中





名前


住所


電話


会社






を何度も聞かれ上の空で返事をしていたように思います。





幸い打撲だったのですが、背中にはシマシマの大きなあざが


エスカレータに落ちたときのものでしょうが、笑うに笑えません。


数ケ月まともに歩くことができませんでした。


また、笑ったりくしゃみをしたりすると


全身にが走り呼吸困難に陥りました。





生きるのって全身を使っているのね





と実感しました。





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