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04/02/25 上海旅行

2004/02/25(水)
今日は上海に出発する日だ。
昼の2時半頃に寮を出発した。列車の時刻は5時過ぎなのだが今回は少し早めに行動することにした。

まず、寮から大学の南門を出たところにあるバス停まで15分ぐらい歩く。
前の大学の敷地も広かったが、新校舎の敷地はその数倍でかい。どういうふうに写真を撮ったらいいのかわからないぐらい広い。ヘリをチャーターして上空から写真を撮りたい気分です。

やっとバス停に到着。

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大学の南門前のバス停から写した様子。とても歩く気にならないぐらい真っ直ぐな道。
周りにはまだ何も無い。早く店とか出来ないかなぁ〜


バスに乗って駅まで1時間ぐらいかかる。かなり遠くなった。3時半頃に鄭州駅に到着。
この前、駅に切符を買いに来たときは気付かなかったことがある。
私が改札口に向かう途中に大きな看板があった。その周りにはじっとその内容を見つめる大勢の中国の人々。その看板は何かというと、過去にあった鉄道事故の状況を報告するものでした。

中国語があまり読めないので詳細はわかりませんでしたが、1980年代にある男性(加害者)が可燃物を列車に持ち込み、それが引火・炎上し、数十人が亡くなったようです。
そこには犯人の焼死体(上半身)のカラー写真(素顔丸見え)と、その下には「この男が可燃物を持ち込んだ犯人」というような説明が実名・住所入りで書いてあります。
その横には体の一部が焼失してしまっている被害者(男女1人ずつ)の全身写真(カラー)が。どうやら新婚だったようです。他にも凄惨な列車内の写真が掲示されています。
日本だったら、被害者の写真をカラーで載せたりしたら遺族だけでなく世間からも叩かれそうですが、やはりこの辺も中国は考え方が違うようです。事故の防止に役立っているのだから良い、ということなのか?
掲示板の画像は、写真を撮る雰囲気では無かったのと倫理的な問題から自粛しました。

事故は硬座車両で起きたらしい。今日私が乗る車両も硬座。少しビビリながら改札口に向かう。
改札口は人々でごった返していた。行列に並びながら前の方を見ると、なんと荷物のX線検査とSARS対策と思われるサーモグラフィによる発熱チェックがあった。みんな大量に荷物を持っているので先を争うようにX線検査機に荷物を載せる。改札を通った順番なんか関係ありません。
ぼぉーっとしているとどんどん抜かされてしまい先に進めません。

その先には待合室へと続く階段とエスカレーターがある。エスカレーターの前には手を広げてエスカレーターの両方の手すりを持ったまま動かない年輩の女性がいた。その人はエスカレーターというものを初めて見るのか、単に苦手なのかわかりませんが、怖くて乗れないようです。
少し微笑ましい光景ではあるのですが、後ろからは大勢の人々の波が押し寄せてきます。当然、横に押しのけられてどんどん抜かされていきます。女性の仲間と思われる人が次々にお手本を見せて上に上がっていきますが、どうしてもあと1歩が踏み出せないようでした。
その人が結局、エスカレーターに乗れたのか、諦めて階段で上ったのかは不明です。

エスカレータを登り切るとそこにはでかい待合い室が6〜8ぐらいありました。自分がどの待合室で待ったら良いのかわかりません。電光掲示板もあるのですが、早めに来ているので表示が出ていません。
そんな人々をエスカレーターで登り切ったところに女性の駅員がいて、切符を一瞥しただけで「あんたは右。そっちは左。はいっ、右。あんたは真っ直ぐ!」のように次々と乗客をさばいていきます。乗客はどんどん押し寄せて来るのですがその女性駅員の処理能力はそれをも完全に上回っていました。やっぱ、ビジネスはスピードだなぁ。


中国の駅には列車毎に待合室が分かれていて、列車の時間が近づくと待合室の先にあるゲートを通ってホームに降りる仕組みになっています。

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上海駅の待合室の様子。座席は千数百はあると思われるが、それでもこの混雑。


私も1時間ちょっと待ってからホームに降りて自分の乗る車両の位置で待ちます。しばらくすると列車が到着。列車は18〜20両編成ぐらい。

少し緊張しながら列車に乗り込み自分の座席に座りました。座り心地は日本の通勤電車の座席をかなり硬くしたような感じです。硬いですがそんなに座り心地が悪いわけではありません。私の席は進行方向窓側の席でした。
「硬座の中では恵まれた席かもしれないな」などと思いながら窓の外を見ると、どんどん人が入り口に押し寄せています。すでに車内は満席。通路も人と荷物で溢れ返っています。

「まさか、あの人達が全員乗るってことは無いよな。(汗)」
心配になった私は隣のおばさんに聞いてみました。

ふぢ:「あの人たちも全員この車両に乗るのですか?」
女性:「そうだよ。」

おばさんは「何言ってんだこの外人は。」と言う感じで答えてくれました。
硬座の真の恐ろしさがやっとわかってきました。考えられない数の人と荷物が1つの車両に乗ってきます。荷物棚もすぐにいっぱいになりますが、中国の人たちは棚の荷物をまるでパズルのように載せ変えて無駄なく積んでいきます。棚に荷物がびっしり詰め込まれると凄く圧迫感があります。通路はまるで満員電車のようにぎゅうぎゅう詰めです。これから14時間かけて走るとはとても思えません。本当にこれは長距離夜行列車なのか。

なんか人々の熱気で車内が異常に暑い。私は窓を開けようとしたが窓が開かない。どうやらどの窓も開かないようだ。各車両には1つしか出入り口が無い。この状況で可燃物に火が付いたらこの車両に乗っている人の過半数は死ぬだろうな。
私は人々が持ち込んだ大量の荷物を見回した。この中に可燃物が混じっていたとしても不思議は無いかもしれない。最悪の場合には自分も死ぬということを覚悟した。

列車の発車時刻が近づいたが、まだ満員で乗れない人がいるようだ。駅員がもの凄い剣幕で怒鳴っている。どうやら「もっと詰めろ。」と言っているようだ。既に車内も身動きが取れないぐらいなのだが、入り口付近にいた人々が渋々中の方に入ってきて大変な混雑です。

しばらくして全員が乗り、やっと列車は発車した。これから14時間耐えるためにはまずトイレ対策だ。この満員状態ではトイレには行けないと考えた方が良いな。水分補給は計画的に行なうことにした。あとエコノミー症候群も心配なので定期的に足を動かそうと思った。
そうこうするうちに1時間ほどで尻が痛くなってきた。少し硬座の意味が分かってきた。やはりクッションが硬い。というかクッションと呼べるのかどうかもわからない。

だいたい1時間ぐらい走ると駅に止まる。その度に容赦なく人が乗ってくる。
それ以上にすごいのが車内販売です。人で溢れ返っている車内を車内販売の女性がカートを押しながら通るのです。カートには弁当や飲み物が満載です。
車内販売が来るたびに、人々は通路に置いてある重い荷物を「どりゃ〜!!」と重量上げのように頭の上に持ち上げ、ボックス席の隙間に立ったりして通路を空けます。そのすきに車内販売がゆっくり通り、人々に弁当や飲み物を売っていく。これが深夜になっても延々と続く。
夜遅い時間になってくると、やはり皆眠くなります。座席に座っている人はそのまま眠れますが、問題は通路に立っている人。準備がいい人は小さなイスを持ち込んでいて、それに座って寝ています。その場に座り込んでいる人もいる。小さなスペースを見つけて座ったもの勝ちという感じです。もちろんスペースが無くて立ったまま寝ている人や徹夜で起きている人も大勢います。
でも通路に座っている人は落ち着いて寝ることなんて出来ません。やはりそこは通路。車内販売以外にもトイレに行く人、カップ麺にお湯を入れに行く人(これが結構多い)、その他にも車掌が通ったりする度に起こされて、立ち上がって人を通さなければいけません。

私はというと、ひたすら尻の痛みを我慢していました。通路に立っている人に比べたら全然楽なはずなのですがこれが結構辛い。痛くて痛くて全然眠れません。どうやら私の尻は長時間硬いイスに座れるようには出来ていないようです。上海に着いたときはヘトヘトでした。
朝、上海に着いてホテルにチェックインするなり部屋のベットで夕方まで寝てました。

いやー、でも中国人ってパワーあるなと思いました。中国パワーを体感したい方は是非、長距離の硬座に乗ってみて下さい。


以下は、おまけの上海の画像。上海はあまり見るところが無かった。

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ミスタードーナツ発見。


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吉野屋とピザハット発見。


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今、話題の牛丼を食べた。味は日本のものとは違う。やはり日本の方がおいしい感じ。
値段は18.5元(約278円)。高い。この値段では2度と食べることは無いだろう。


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上海テレビ塔。100元払うと高さ350mの展望台まで登れる。
もったいないけど登ったっす。


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上海の街の様子。


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外灘の夜景。


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帰りの上海駅付近。上海は空気が悪かった。風が弱いとかなり辛い。
今まで気付かなかったが東京は大都会の割には空気がきれいだと思う。

帰りの硬臥はゆったり寝て帰りました。ただ、日本の寝台とは違ってカーテンが無いので女性が旅行する場合には注意が必要かもしれません。あと硬臥(たぶん軟臥も)は降りる駅が近づくと車掌が起こしてくれます。


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