ドンタコス通信
ドンタコス通信


やあ、みんな元気にしてたかな。あなたの心を少しの間、異界へといざなう
ドンタコス通信の時間だよ。


アブ
日曜日の朝、ハッと目が覚めた。今しがた夢の中で30cmはあろうかとい
う巨大なアブがN村の頭の横を歩いていたのだ。
そのアブはゴキブリなんかとは比べ物にならないくらい気持ち悪いもので、
黄色と緑色を混ぜたような濁った色をしていた。しかし、本当に気持ち悪い
のは色ではなくて身体の形であった。
サイズはでかいものの頭部と胸部は普通のアブなのだが腹部はまるでイモム
シのように複数の体節がボコボコとしていた。それは女王アリのように肥大
しており、この世の生き物とは思えなかった。
夢で見たにしてはやたらとリアル過ぎる映像であった。現実の部屋の様子が
寸分たがわず夢の中で再現されていたのが、夢ではなくて、寝ぼけながらも
実際に見たのではと思わざるをえない。
そして、なによりさっきから身体中にビンビンきている、感覚が本物だと言っ
ている。実際に腹のでかい巨大アブがいたかどうかは定かではないが、何か
得体の知れない生物が居るか、居たかに違いない。
まるで、物体Xに遭遇したかのようである。何かいるという感覚はあるが、
何が居るのか分からないのだ。
N村は部屋中を引っ掻き回して、その何かを捜していた。得体の知れないも
のに怯えるよりも、正体が分かった方が安心できる一方で初めて遭う生き物
に対してどうやって対応したらいいのか分からないという不安もあった。
結局、N村は巨大アブもそれ以外の生き物も発見することはできなくて、ま
だひょっとしたら現れるかもしれないという恐怖に怯えながらも捜索は打ち
切った。
という夢を見ました。いやー、ビックリしたわ。夢ん中では本当に必死だっ
たからね。見つけたくはないが、見つけなくては安心できないという恐怖。
実はN村は夢から覚める内容の夢をよく見るんだわ。一番多いパターンが平
日の朝起きたら、既に家を出る時間を経過していて急いで会社に行くという
もの。大体は着替えている途中に本当に夢から覚めるのだが、時たま、会社
に着いて夢の中で仕事をしていたりする。でも、実際に起きると、いつもと
一緒の時間でホッとするのだ。


カレー
何度かドンタコス通信で、怪しげな食べ物を紹介してきたせいか、N村が変
な食べ物マニアだという認識が周りの人間に広まりつつある。
そのためか、N村の元に怪しげな食い物が少しずつだが届くようになった。
今回はその内の一つを紹介します。
提供者はI野です。ネタはレトルトのカレーでなぜか2分の1食という量で
す。種類が8種類あり、I野はわざわざ全種類買ってきてくれて、1食で2
袋を食べるので4食分となります。
しかし、I野もただでくれるわけではなく、注文をつけていきました。
「一回のドンタコス通信で紹介できるように連続して食べてくださいね。」
おいおい、ちょっとまてよ。4食も食べる方の身にもなってくれよ。
しかし、折角の好意は無駄にはできんし、今回食べればまた、知り合いが珍
しい物をくれるかもしれない。そうすると、珍品を食べれた上に食費が浮く。
完璧な計画だ。これは今後のためにも食べておく必要があるな。
そういう幼稚な打算があったかどうか分からんがN村はカレーを食べること
にした。
しかし、食べてから重大な問題に気がついた。ドンタコス通信のネタにする
ほどインパクトがないのだ。これはマズイ。いやカレーがおいしくないので
はなくて、N村の立場としてね。
しかし、まだ諦めるのは早い。最後の2袋は給食カレーと、とっておきの納
豆カレーなのだ。この秘密兵器、納豆カレーで勝負をかける!!
給食カレーと納豆カレーをお湯でグツグツ煮て、十分に温まったところで封
を開けました。
納豆カレーを開けると見事に納豆に臭いがしてくるではないか。おおっ、こ
いつはひょっとしてひょっとするか、などと期待しながら食べてみました。
その味はただのカレーでした。N村が作ろうと努力して未だに完成しないカ
ボチャカレーと同じように、カレーの味に他の具材、この場合は納豆の味が
負けてしまっているのだ。
納豆の臭いはしているのだが、味はカレーなので、納豆カレーを食べている
というよりは、どっかの定食屋でN村がカレーを食べており、その真横で誰
かが納豆定食でも食べているみたいであった。
このカレーはファミリーマートで売っているそうです。


そういうわけで、今回のドンタコス通信もおしまいです。
N村はいつでも、みなさまからの怪しげな食材のネタをお待ちしています。
では、また次回をお楽しみに。


ドンタコス通信990611号
ドンタコス通信990628号
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