ドンタコス通信
ドンタコス通信


さあ、性懲りも無くやってきましたインチキ闘病編・第3部です。
いよいよ手術かと思わせといて、実はまだ手術に入りませんので、あしからず。


百物語
手術日の前日に外泊から病室へと戻ってきました。
明日は始めての手術、そして始めての病室での夜。日常とは違う緊張した雰囲
気ができあがったところで、深夜に新耳袋という百物語を読み始めました。
百物語って、最近はあんまり聞きませんが、夜中に100本のロウソクに火を
つけて、怪談を1話するごとにろうそくの火を消していく。そして、全てのロ
ウソクの火が消えたら怪異が起こるってもんです。
それを本を読んで疑似体験しようってもんです。我ながら、アホウの所業とし
か思えませんが、こういう夜だからこそ、やりがいがあるってもんです。新耳
袋はちなみに100話に1話足りない、99話しかないので、残り1話は自分
で考えにゃなりません。
夜、消灯時間が過ぎてから、1話ずつ読み進めていきます。中盤近くの40話
を過ぎたあたりから、だんだんと不安が押し寄せてきました。決して、話の内
容が怖いというものではありません。ありふれた話ですが、ありふれた身近な
話だけに怖いという話も存在します。
しかし、怖いのは、全部読んでしまった時に、本当に何か起きたらどうしよう
かという不安感です。自分の手に負える状況ならいいんだけど、手に負えない
何かが発生したらどうしようか?
人間の想像力の怖さをつくづく思い知りながら、それでも1話づつ読み進めま
した。だんだんと、読んでいる話よりも、読んだ後に何が起こるかって方が気
になってきました。しかも、別の本ですが、百物語を一晩で読んで怪異を体験
したって話を覚えていたこともあり、重くイヤ〜な感覚が身体中に巣食い始め
ました。
ダメだ・・・ってんで、50話を超えたあたりで挫折しました。今から思えば
情けないことに、好奇心が恐怖に負けてしまいました。完敗です。


点滴
百物語は挫折してしまったんで、珍しい現象は何にも起きないまま手術の朝を
迎えました。
手術を受ける前に、全身麻酔を効きやすくする為の点滴を打たれます。点滴用
の針を左手に刺してもらいます。
左手の手首付近に狙いを定めてグサッといくのですが、N村の血管が細いんで、
上手く入らないようです。N村自身は痛みはさほどないんですが、身体が拒否
反応を示して、あぶら汗が出たかと思うと、頭の血がサーとひいていきました。
おいおい、ここまで頭の血がひくのが分かったのって、記憶にある限り2度目
だぞ。そんなにマズイことになってるのか?
いくらやってもダメっぽいんで、左手首はあきらめて、今度は左の手の甲です。
今度はさっきほど痛くはないんですが、やっぱ気持ち悪い。あんまり長時間耐
えたくありません。
左手はダメだっ!って諦めて、今度は右手の手首を目標にします。グリグリと
差し込まれる針。今度はさっきよりは、かなり楽になりようやく、点滴がN村
の体内へと送り込まれました。


ヒゲ
N村がドンタコスである証のヒゲを剃れと言われてしまいました。ヤダヤダっ
て、駄々をこねたんですが、嘆願は聞き入られず、結局ヒゲを剃ってしまいま
した。
それはさておき、どんな時でも、前向きというかバカというか、こういう時こ
そ真価を発揮するのがN村ってもんです。
ご存知かと思いますが、N村は口ヒゲの両端をダラリと垂らした中国人風のナ
マズヒゲを生やしてます。この大事なヒゲを剃る機会なんて二度と訪れないか
もしれません。ここは、今しか出来ない事にチャレンジする絶好の機会だ!!
ってわけで、ナマズヒゲのナマズ部分だけを残してそり落とし、記念に写真を
撮ってみました。うーん、我ながらちょっとマヌケ。
寝る前に百物語に挑戦する事といい、初めて手術を受けるって人間の心境とは、
とても思えんぞ。もうちょっと人並みに緊張とかしたらどうなんだ?
いや、どうも緊張はしてるっぽいんだが、それはそれとして今しか出来ない事
を楽しんでいるぞ。
そっかー分かったぞ、N村が他人の身体を手術するんなら緊張するんだろうけ
ど、所詮、失敗したところで、どうにかなるのはN村の身体だし、責任を取る
必要も無い。そりゃ、あんまり緊張せんわな。


胃薬
入院してあれこれと説明のあった日に、手術前日は緊張して眠れない人が多い
ので、睡眠薬を出してるんですが、要りますか?と訊かれたんですが、眠れな
いなんて有り得ないし、百物語に挑戦する気だったので、断りました。
しかし、手術前後は食事できないし、緊張で胃酸が出過ぎるので胃薬だけは処
方するって説明がありました。
手術当日、同室の人も同じ日に手術するというんで、もらったという胃薬を飲
んでます。N村は外泊したせいか、そんな薬はもらってません。しかし、せっ
かくなのであえて指摘したりはしません。
その後で、点滴とは別に麻酔で眠りやすくする為の薬を飲みました。ひょっと
したら、そこに胃薬も入っていたんでしょうか。今となってはナゾです。




というわけで、今日のドンタコス通信はこれにて終了です。
ちなみに、前回トンタコス通信だったのは、N村のヒゲが無くなり、再び伸ば
し始めたものの、無精ひげよりちょっと長い程度の情けない様を表現したもの
です。今はトンタコスとドンタコスの間ぐらにはなってます。そんな事よりも
いつもはメールタイトルに入れている日付を忘れのは大失敗です。メール送っ
てPCの電源落としてから、失敗したのに気付きました。日付が無いせいで、
いつもとは違うってのが余計に目立つじゃねぇかよ!!
そんなわけで、また次回もよろしく!





トンタコス通信060809号
ドンタコス通信060822号
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