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はっし〜


第160話 思い出してくれ
(激痛度レベルなし)

突然流れだした電流、突然暴れ出す右足。


麻痺を忘れたかと思うくらいに、動いていた。


しかも、勝手に動く、自分の意志とは関係なく動いている。


それも、すごい勢いで、動き出した右足。


初めての低周波治療。


心の準備はしていなかった。


機械の力でここまで、足が動き出すとは思わなかった。


そして、慌ててダイアルを戻す先生。


「はっし〜さん、ごめん、ごめん。」


「電極を貼る位置がずれていたようだね」


と。


おーーーーーーーーーい、頼むって。


こちとら、低周波治療ってもんが初めてなんですから・・・


電極を貼り直し、再度チャレンジ


しかし、心臓はドキドキしている。


さっきの事があったからだ。


気をしっかり持って、電気が流れるのを待った。





そして、ダイアルが少しづつ回り、徐々に電気が流れ出した。


そして、右足が、足首を境にして小刻に、ピク、ピクと、動き出した。





おーーーーーーーーー





動くじゃないか、自分の足が。


今まで、自分の意志では全く動こうとはしなかった右足が


機械の力を借りているとはいえ、動いている。


久しぶりに、右足が動くのを見て喜んでいた。


だが、まったく自分で動かしている気はしない。


でも、これを続けていれば、


いずれ動くようになるのでは、無いかと、期待をしてしまう。


神経が忘れ去ってしまった、足の動き、この動きを





早く


早く






思い出してくれ。





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