特別投稿 GPS No.20

G.P.Sのメニュー

投稿者/G.P.S.     No.20     2010/12/23

牡蠣フライ … 新鮮

家の近くに特に頼むと、レアハンバーグを出してくれるレストランがある。生肉の処理と焼き具合の技術に自信があるのだろう。ときどき訪れて楽しんでいるが、お腹を壊したことはない。生の牛肉のみじん切りに香辛料と卵を混ぜたタルタルステーキは美味しいが、海外旅行の時に食べて中り、塗炭の苦しみを味わったので、これ以後食べていない。
この店のレアハンバーグは表面だけ火が通り、タルタルステーキの美味しさがあった。
牡蠣の時期にはこの店で磯の香りの強い牡蠣フライを食べることができる。家で作る牡蠣フライやスーパーで購入する物より格段美味しいフライである。
牡蠣フライを安全に食べるには内部まで85度一分間以上の加熱が必要と言われているが、磯の香りを残すには微妙な加熱加減が必要である。この店では牡蠣の大きさを揃え、ぎりぎりの条件で揚げているのだが、この日の昼食には大型の物が2個混じっていた。大型の牡蠣は磯の香りが高く、クリーミーで特に旨かった。

翌日の午後に地域のグループの研究会のまとめ役を依頼されていた。会場に少し早く着き、研究会の用意をしていると、突然お腹の異常を感じトイレに急ぐと土石流のような強烈な下痢が発症した。家を出る時にはお腹の異常を感じていなかったので、自作パンツを持参しなかった。
研究会を始めたが、しばらくするとお腹の不調を我慢できず小休憩を取って、トイレに行くと、滝のような水柱が大量に迸った。大型の牡蠣フライの加熱不足で内部に生き残ったノロウイルスに中ったと思った。
研究会を再開して30分位で再び強烈なお腹の不調を我慢できず、「お腹の具合が良くないので、休憩をお願いします」と言ってトイレに駆け込んだ。トイレから戻り研究会を再開しが、喉と口の中が強烈に乾いて声を出すのが不自由になった。水を飲みたいが、下痢を防ぐため摂らずに続けた。議論が白熱し、まとめ役の発言の機会が多くなったが、声がかすれて聞き取りにくくなった。無理に発言を続けていると、またお腹の不調を我慢できなくなった。議論が白熱している研究会を中断するのは参加者に迷惑をかけ申し訳ないので、無理に我慢していると締め付けているゲートが濡れ始めた。これ以上強烈なお腹の中の圧力を我慢できないので「またお腹の具合が悪くなったので、すみませんが休憩をお願いします」と言ってトイレに駆け込んだ。
席に戻ると参加者から「ずいぶんお腹の具合が悪そうだが、まとめ役を続けてもらえるか?」と発言があった。「たびたび中断してご迷惑をかけ申し訳ありません。声が出しにくく辛いですが、もう少しなので頑張ります」と答えて、まとめ役を続けた。

議論のまとめの完了まであと少しのところで強烈なお腹の異常を感じたが、必死で我慢し、まとめを終えるや否や、トイレに駆け込んだ。
やっと間に合って、滝のような凄まじい水柱を迸らせ、下痢症患者の至福の瞬間を迎えた。とたんに目の前が暗くなり、意識が薄れた。
脱水症状に加え、まとめが無事に出来た気の緩みが重なり、意識を失ったのであった。
どのくらい時間が経ったか分からないが、強烈なノック音と名前を呼ぶ声で我に返った。
「どうした、意識はあるのか?」「一人で立てるか?」などの友人のの声が飛び込んできた。急いでパンツとズボンを上げ、水を流し、ドアアを開けた。立って歩こうとするが脱水症のためか足元がふらついた。
友人2人が脇を支えて会議室に連れ帰ってくれた。
「ご心配をかけてすみませんでした。激しく続いた下痢のための脱水症で一時的に意識を失いました。もう大丈夫です。」と言うと、「ひどく体調が悪かったのによく頑張って、まとめてくれて有難う、無理をさせてしまい、申し訳なかった。」と異口同音に応じてくれた。
「脱水症から回復すには水分補給が一番だ」と言って、F君がお茶をコップ一杯用意してくれた、とても美味しく一気に飲み干した。強烈に乾いていた口と喉が潤った。続けてもう一杯飲み干した。「救急車を呼ぶか?」と聞かれたので、タクシーを手配してもらい、住居の近いM君に付き添ってもらうことにした。

車が揺れると先ほど飲んだお茶がお腹の中を急速に動き、ゲートに強烈な圧力をかけ始めた。家に着くとすぐトイレに駆け込み、腰を下ろすや否や、シューと水鉄砲のように黄土色の水柱を噴き出して楽になった。M君が研究会中の出来事を家内に話してくれたので、トイレから出てリビングに行くとお腹を壊した時の飲み物が用意されていた。
喉が強烈に乾いていたのでスポーツドリンクをコップ2杯、続けて紅茶2杯を乳酸菌製剤と一緒に飲んだ。水分を十分に摂ったので脱水症状は急速に解消した。しかし疲れきって、ベッドで横になり休んでいると、間もなくお腹が強烈に張って、トイレに急ぐと、再び滝のような水柱が迸った。脱水症状が怖いのでトイレに行くたびにスポーツドリンクを飲んだ。
同じことを数回繰り返すと夕闇が訪れた。夕食を絶食し、乳酸菌製剤を大量に飲んで、吸水層付きのおむつを着け、ベッドに入るとすぐに深い眠りに就いた。3時間位経過して、お尻が冷たくて目が覚めた。お漏らしの夢も自覚もないが、大量の黄土色の液体がお尻を濡らしていた。
おむつを取り替えて、再び深い眠りに落ちたが間もなく、強烈なお腹の異常を感じて目覚め、トイレに急ぎ滝のような水柱を迸らせた。
これを繰り返しでいると、熟睡する間もなく、夜が明けた。

リビングに行くと、朝食を済ませた家内は「私も同じ牡蠣フライを食べましたが、何ともありません」と言って、コーヒーを飲んでいた。
度々のことであるが食中毒に弱いお腹が恨めしい。今回の食中毒は家内の料理に責任が全くないので、家内は涼しい顔で「お医者さんに早く行ったほうがいいでしょ」と言うが、ノロウイルスに有効な治療法は脱水症状を防ぐ点滴しかないので、医者に行くのを止めて、スポーツドリンク、家内が作ったリンゴジュースと乳酸菌製剤を飲み、ふらつきながらベッドとトイレを頻繁に往復して、午前中を過ごした。
午後にはお腹の不調の間隔が少し延びたのでリビングでビデオを観た。
ビデオはお腹の不調を感じたら、いつでも一時停止できるので、このような時にはTVより具合がよい。
昨夜の夕食、朝食、昼食を絶食したので夕方には症状が穏やかになった。
M君にお礼の電話をして、昨日のお礼と回復したことを報告した。
彼始め参加者はあまりにひどい下痢症に心配してくれていたようであった。参加者全員に「回復したことと研究会を度々中断して迷惑をかけて申し訳なかった」とメールを送信した。
参加者数人から「ひどい体調にも拘わらず、研究会をまとめたことに感謝するお大事に」と返信を貰った。
G.P.S.(Dr.GERI)

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