特別投稿 GPS No.19

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投稿者/G.P.S.     No.19     2010/08/24

蟹フレーク … 新鮮

朝食の前に、家内が前日魚屋で求めたパック入り蟹フレークをサラダに入れ始めた。私が「蟹フレークを洗わなくて大丈夫か?」と聞くと、家内は「洗うと蟹の旨みが流されてしまいます」と答えた。私は少し怖い気がしたが、美味しく食べた。
昼前、友人から「A君が昨日亡くなった、奥様のご意向は、形式的な葬儀でなく、お通夜に出席して、親しかった学友でA君を偲んで頂きたいとのことであった」との連絡があった。
夕刻近くA君宅のある私鉄の駅に向かった。JR線から私鉄に乗り換えて暫くすると強烈なお腹の異常を突然感じ、停車するとすぐ途中下車してトイレに駆け込んだ。土石流のような凄まじい下痢が始まった。次の電車で3駅過ぎたところで再びお腹の異常を感じ、途中下車してトイレに行くと今朝食べた物が不消化のまま混じった水柱が滝のように迸った。朝食の蟹フレークに中ったと直感した。症状は先日の伊勢海老の食中毒によく似ている。先日のビブリオ菌食中毒の免疫抗体がなぜできなかったのか不思議な気がした。

式場に着き、お通夜の始まる前に所用を済ませたが、30分ほどでお腹の不調を強く感じた。中座するのは失礼なので必死に堪え、お焼香を済ませて、すぐトイレに行き、やっと間に合って、下痢症患者の至福の瞬間を味わった。
お通夜が終わり、お清めの席に案内された。旧友5人が同じテーブルに着いた。奥様のご挨拶とA君の近況のお話を頂いてから、A君に献杯して、ビールを飲み、おつまみと寿司を少し口にした。帰りの電車の中でお腹の不調を恐れて、飲み物と食べ物を控えた。
ご親族に挨拶をして、駅に向かった。酒の好きなB君が「しばらく会っていないので、皆で飲んで、積もる四方山話に花を咲かせよう」と提案した。私は「お腹を壊しているので、失礼したい」と答えると、B君は「お腹が急行のときは、鈍行各駅停車で帰れば困ることはない、急行列車には乗るな」と半分ふざけた返答をして、解放してくれなかった。

駅前のしゃれたレストランで生ビールと各自好みのおつまみをオーダーした。好きなビールを飲みながら、暫らくぶりで旧友とゆっくり話を楽しみたかった。B君の言うように鈍行各駅停車で帰れば困ることはないと覚悟を決めて飲み始めた。以前お腹を酷く壊している時にビールを飲み、中華料理を食べて、お腹の状態をひどくし、数日苦しんだことを思い出したので、おつまみはお腹にやさしそうなローストビーフを選んだ。しかし他の友人が頼んだ揚げ物などが回ってくるので、つい箸を付け、かなりの量を食べてしまった。
楽しい話につられて、生ビールを大ジョッキ2杯飲んで、2時間近く楽しい時を過ごした。宴会中に2回お腹の不調を我慢できなくて、席を外し、ビール混じりの強烈な水柱を迸らせた。ビールを飲めば、頻繁に出る小水は僅かしか出ない。腸が水分を吸収できず、お尻から激しく噴き出しているようであった。隣席のD君が心配して「お腹大丈夫か?」と声を掛けてくれた。「発熱はなく、腹痛も軽く、激しい下痢だけだから、鈍行各駅停車なら頻繁に停車するので心配ない。明日は予定が何もないので具合悪ければ、医者に行ってから、家で寝ているから安心だ」と答えて飲み続けた。
お店の看板時刻に近くなった。B君ら4人は東京方面へ、私は一人でJR接続駅に向かう下り電車を待っていると、突然お腹の不調を感じ、トイレに駆け込むと、ビールがそのまま出てきたようなビール色の水柱が泡まじりで激しく迸った。


ホームに戻ると、急行と各駅停車が到着していた。急行で早く帰りたいと思ったが、途中でお腹の不調に襲われると大変なので、各駅停車に乗り込んだ。電車は各駅に停車しながら、ゆっくり走っていた。40分くらい過ぎた時、先ほど飲んだビールの圧力で強烈なお腹の不調を再び感じ始めた。次の停車駅で途中下車して済ませようと考えていると、電車が突然止まった。暫くすると「先行の電車で事故が発生しましたので、しばらく停車します。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」とアナウンスがあった。
電車の事故で駅の間に停車し、長時間トイレに行けない事態が発生することは全く予想していなかった。急行電車に乗っていれば、事故の前にこの駅を通過していた筈であった。慎重に安全サイドを選択したのが、生まれて始めて遭遇する惨劇の始まりであった。
暫く椅子に腰かけて、お腹の不調を我慢したが、飲んだビールのガス圧力が高くなり、堤防の決壊が近付いてきた。この電車にトイレはないと思ったが、念のため最後部まで歩いて行き、車掌を呼び出して、「お腹をひどく壊しているので、我慢の限界に達したが、どうすればよいか?」と尋ねた。「簡易トイレの用意はないので、我慢して下さい。申し訳ありません」との答えであった。「とてもひどい下痢なので、車外の目立たない所で済ませたいので、外へ出して下さい」とお願いすると「列車内から線路へ降車することは、併発事故に結びつく恐れがありますので、お断りをさせていただかざるを得ません」と答え、更に「事故で運転を見合わせる場合、できるだけ列車を駅構内に停車するように努めておりますが、今回は駅の間に停車せざるを得ませんでした。ご不便をおかけして、誠に申し訳ありません」と付け加えた。「電車が動くまで我慢が続かないと、ひどい下痢なので下着を汚すだけでなく、足元に流れ出して、床まで汚ししてしまう危険があります」と重ねて言うと「その時は私が処置します。我慢をお願いします」と車掌が答えた。乗客を車外に出すときは駅員の誘導が必要で、簡単には出来ないことが分かった。電車が早く動いてトイレに駆け込めるときを待つしかない。電車が駅に止まったら、すぐトイレに駆け込めるように、ドアの横の席に腰をおろして、必死で肛門括約筋を引き締め、我慢を続けた。


私達の話が終わりかけたとき、ショートパンツ姿の脚線美の若い女性が駆け込んできて、「お腹を壊しているので、我慢できません、どうしたらよいのですか」と恥ずかしそうに車掌に尋ねた。答えは私への回答と同じであった。彼女は車掌室とドアの角に顔を向けて立った。体を震わせて、堤防の決壊を必死で防いでいる様子が後ろ姿でも解った。手をショートパンツの局処にあてて漏れ出しを防ごうとしていた。異様な音が聞こえたので、彼女の方を見るとショートパンツから美しい曲線の太腿を伝わって茶色の液体が流れ出し、たちまち足元に茶色の水たまりを作った。大量の液体であったが悪い臭いは強くなかった。車掌は急いで網棚の新聞紙を集めてきて、茶色の水たまりを覆った。彼女は車掌室の壁に顔を押しつけて、しくしく泣き出した。
私も我慢の限界に近付いた。出掛ける時にお腹の異常がなかったので、自作パンツを付け なかった。席に腰をおろしている時に堤防が決壊するとズボンの尻の部分がびっしょり濡れるので、車掌から貰った新聞紙を椅子のドア側に敷いて、靴を汚さないため、靴と靴下を脱いで立った。パンツとセミロングパンツを体に密着させ、ズボンを少し下げてセミロングパンツとの間に隙間を作った。
人前でのお漏らしの醜態は絶対に避けたいので、必死に我慢を続けた。体が震え、脂汗が顔面を流れた。総ての力をゲートの締め付けに注いだ、しかしついに我慢の限界を超えて、生温かい液体が浸み出してきたと思ったら、懸命に閉じていたゲートが私の意思に反して開いて、生温かい液体がドット大量に流れ出し、太腿と脛を伝わってズボンの裾から流れ出して、新聞紙の上に濃いビール色の泡だった液体の水たまりを作った。ビブリオ菌下痢症独特の生臭い臭いとビールの臭いとが混合して鼻を突いた。公衆の場所でのお漏らしは生まれて初めてである、もの凄く恥ずかしい、乗客全員が私の惨状を注視しているように感じた。必死の我慢の緊張が消えて全身の力が抜け、足がふらつき、水たまりの上に座り込みそうになった。ドア側の手すりにつかまりやっと立ち続けた。
深夜に近いので電車はすいていた。乗客は二人の惨状を唖然として見ていたが、水たまりのあまりにひどい惨状に伝染病を予感し、その臭いにも辟易して前の車両に順次移った。最後部車両は私、ショートパンツの女性、車掌の3人だけとなった。

暫くして、ショートパンツの女性の方から音がしたので視線を移すと、第2波が噴出し、水たまりを覆った新聞紙の上に再び水たまりを作り、ショートパンツのびっしょり濡れた股の部分の裾から茶色のしずくがポトポトと滴り落ちていた。車掌は新聞紙を集めに前の車両へ走って行った。
誰もいなくなったので、ショートパンツの女性は怖々と私を見て、同病者がいたことに気づき、少し安心したようで、泣くのを止めた。
車掌は集めた新聞紙を抱えて戻ってきて、ショートパンツの女性の水たまりを再び覆った。私に残りを渡してくれた。私は水たまりを覆って、その横に新聞紙を敷いて、移動した。

緊急用折りたたみ式トイレと遮蔽用カーテンを常備し、電車の隅で緊急やむを得ない人に使わせるようにすれば、鉄道会社は乗客の不始末の清掃と消毒の手間が省け、他の乗客に迷惑をかけないで済むのに、何故設置していないのかと疑問に思った。後日、鉄道会社に「事故による緊急停車時に使用できる緊急用折りたたみ式トイレの設置を検討して欲しい」と提案する手紙を出した。「必要性を理解したので、常備を真剣に検討する」との回答を得た。特にノロウイルスなどの伝染力の強い下痢症で今回のような悲劇が起こると、多くの乗客に感染して、社会問題になるであろうと思った。
停車して、30分以上経って、電車が動き出し、駅のホームに滑り込んだ。足の汚れを新聞紙とティッシュペーパで拭き取り靴下と靴を穿いた。
担架を持った駅員と救急隊員が2組待ち構えていた。ショートパンツの女性が担架で運び出された。車掌が私にも担架に乗れと言った。私は。酷い下痢なので、伝染病を疑われて、細菌培養検査が終了するまで救急病院に留め置かれることを懸念したので「単純な下痢症なので、入院の必要はないと思います。自分で帰宅できるように、この駅のトイレで処置します。電車を汚してすみません」と答えた。車掌はしぶしぶ同意した。
下車し、トイレでびしょ濡れのパンツとセミロングパンツを脱ぎ棄て、便座に腰を下ろし、滝のような水柱を迸らせると楽になった。しかし濃いビール色の液体が太腿と脛をべっとりと汚していた。トイレットペーパで拭き取ることは難しい。タオルを持っていなかったので、アンダーシャツを脱いで半分に切り裂き、トイレの水を付けてお尻、太腿と脛の汚れを拭き取った。残り半分でズボンの濡れた部分の水分を吸収させ、汚れを入念に拭き取った。ズボンとセミロングパンツとの間に隙間を作って、立っていたのでズボンの汚れは意外に少なく済んだ。ひどく汚れた便座もこの布で清掃した。
時刻が遅いので駅前の衣料品店は閉まっていて、パンツを買えなかった。下着なしでズボンをはいたので、ごわごわして気持ち悪かった。たてつづけの激しい下痢でゲートの周辺が爛れ、ズボンの固い生地に触れると凄まじく痛かった。
次の電車の最後部の隅に立って、JR乗り換駅に着いた。汚れたズボンをはいて、JR線に乗るのは他の乗客の迷惑になると思い、タクシー乗り場に行き、運転手に「お腹を酷く壊してズボンを汚してしまったが、C市まで乗せてもらえるか?」と尋ねた。運転手は「ちょっとお待ち下さい」と答え、青いシートを取り出し座席と足元に敷いた。「これで安心ですから、お乗りください」と言った。腰掛けると、爛れたゲートがズボンの固い生地に触れ、痛いので腰を少し浮かした。住所を告げ、カーナビに登録した。
乗車して10分位経つと、車の振動で腸内を急速に移動した大量の液体が直腸に溜まり、お腹の異常が強烈になった。「トイレに寄って下さい」と言うと、運転手は「海岸沿いの道路で夜遅いから、この先しばらくトイレを借りられる店はありませんので、我慢できなければそのままで出して下さい。私が後で始末します」と答えてくれた。しかしパンツもセミロングパンツも着けていないのにお漏らしをしたら、式服のズボンが台無しになるので、必死で堪えた。しばらく我慢したが、限界であった。急いで靴を脱ぎ、堤防の決壊に備えた。あと10分の我慢であったが、ついに堤防を支えきれず、ガス混じりの大量の液体が異様な音とともに噴き出し、ズボンをびしょ濡れにし、足元のシートに水たまりを作った。

家の門前に停車した。料金は3.000円と少しであった。5,000円札を渡し、「大変迷惑を掛けたので、お釣りは収めて下さい。汚してすみませんでした」と言って、靴と荷物を持って下車した。玄関への石畳に足跡としずくが残った。玄関に付き、インターホンを鳴らすと、家内がすぐドアを開けてくれた。
家内は私の姿を見るなり「どうしたのですか?」と驚きの声を上げた。激しく続いた下痢と、お漏らしのショックで憔悴しきった顔、裸足で靴を手に持った姿、びしょ濡れのズボンから滴る黄土色のしずくを見た家内は悲劇の粗筋をすぐ理解し、ポリシートを足元に広げた。「凄まじい下痢にやられた。電車の中とタクシーの中で酷いお漏らしをしてしまった」と答え、浴室までポリシーとを引いてもらい、黄土色のしずくを垂らしながら、浴室に行き、衣服を脱いで、シャワーで体を入念に洗った。
浴室から出て、リビングで熱い紅茶を飲みながら「洗わなかった蟹フレークに中ったらしい、君は大丈夫か?」と言うと家内は「申し訳ありません。私の判断ミスです。しかし同じものを食べた私は、なんともありません」と答えた。また私だけが食中毒菌にやられたのであった。食中毒菌とウイルスに弱い私特有の発症であった。
電車の停車中とタクシーでの出来事を手短に話し、式服ズボンの処理を頼んで、ぐったりして、ベッドに就いた。ビールと一緒に食べたおつまみが十分消化されないまま大腸に送られて、発酵し始めた。お腹が張って苦しく、トイレに行くと、シャワーのような下痢が激しく噴き出し、楽になるが一時間位で、再発を繰り返し、熟睡できなかった。
翌朝掛かり付け医院の開院を待ちかね受診した。医師は前回と同じように問診と聴診をし、検体を見て、「また腸炎ビブリオ菌下痢症です」と診断した。そこで「先日の腸炎ビブリオ菌下痢症で、免疫抗体ができなかったのでしょうか」と尋ねた。医師は「腸炎ビブリオ菌には70種類以上の血清型があり、免疫学的には70回以上罹患する可能性があります。ただし、腸炎ビブリオ菌が出す毒素にはそれほど抗原性の違いはありません。毒素に対してIgA型の抗体が分泌されますが、残念ながら腸炎ビブリオ菌のだす毒素についてはあまり研究されておらず、どの程度に防御抗体として働くかは不明です。」と解説してくれた。この解説で、私のように胃液で腸炎ビブリオ菌を殺す能力の弱い者が腸炎ビブリオ菌食中毒の下痢症に度々悩まされた原因を納得できた。多量の点滴を受けて帰宅した。
生ビールを大ジョッキ2杯飲んで、ローストビーフなどのおつまみを食べたのは腸炎ビブリオ菌に痛めつけられたお腹に大変な負担であった。医院から帰宅しても激しく下痢が続き、朝食、昼食を絶食して、スポーツドリンクと乳酸菌製剤を飲んで、ベッドとトイレを頻繁に往復して過ごした。夕食前に少し穏やかになり、ヨーグルトとリンゴジュースの夕食を済ませ、就寝した。
G.P.S.(Dr GERI)

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