特別投稿 GPS No.17

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投稿者/G.P.S.     No.17     2009/11/14

アサリ … 超新鮮

四国旅行の時ノロウイルス下痢症でもの凄く辛い思いをしたので、食べ物に慎重になった。
この成果で、しばらく食中毒の下痢症に悩まされることなく、講師の仕事、家内との旅行、友人たちとの小旅行を楽しんできた。
しばらく前に、家内がとても生きのよいアサリを手に入れてきた。酒蒸にすると、貝殻いっぱいに身が詰まっており、一味違うアサリであった。美味しいアサリにつられてお酒を少し飲みすぎ、早くベッドに就いた。翌朝早く強烈なお腹の不調で目覚め、トイレに急ぐと凄まじい下痢が始った。超新鮮なアサリに中るはずはないと思い、前日口にしたものを思い出したが、心当たりはなかった。
30〜40分おきに滝のような下痢が続き、またもノロウイルス下痢症であると観念した。
ノロウイルスには変種が多く免疫の獲得が不可能のようである。
当日は頸動脈狭窄症の精密検査のため、最新のMRIを持つ循環器専門病院の受診を予約していた。この病院へはローカル線で1時間近く、さらに駅からバスで15分掛かる。ローカル線の電車にはトイレがない。MRIの予約は時間厳守である。途中下車の余裕を取って早く家を出た。心配した通り、乗車して30分位で耐えがたいお腹の張りを感じて途中下車しトイレに急いだ。
30分間隔の次の電車で目的地の2つ前の駅に近くなると再び強烈なお腹の張りを感じた。ここで途中下車するとMRIの予約時間に間に合わなくなる。目的の駅まで何とか我慢することにして必死で堪えた。やっと目的の駅に電車が到着した、大急ぎでトイレに駆け込むと、和式トイレであった。我慢の限界に達していたので、ズボンを下げてしゃがみ込むと同時に、滝のような水柱が激しく迸り、跳ね返りが便器の周辺とお尻、太ももを激しく汚した。急いで局所とお尻、太ももの汚れを拭い取った。ズボンの裾と靴も飛沫で汚れたが、連絡バスの発車時刻が迫っていたので汚れを落とす間がなく、バス乗り場に急ぎ、発車寸前のバスに滑り込んだ。病院に着くとまずトイレに行き、ズボンの裾と靴の汚れを入念にふき取り、診療中の不測の緊急事態に備えるため自作パンツ[「カウンターの鮨」に作り方を紹介]に履き換えた。

受付を終えて、込み合っていたので長時間待たされた採血を済ませ、MRI室に急いだ、予約時間にやっと間に合った。お腹の異常感があったがトイレに行く暇はなかった。
MRIでは40分体を固定し、くしゃみ、咳もしてはならないとのこと。轟音とともに測定が開始された。お腹の張りがだんだん強くなり30分位経過したとき我慢の限界を感じた。動くことが出来ないので、無理に我慢せずに自作パンツに静かに漏らした。
MRIを無事終了し、トイレに駆け込んだ。寝たままのお漏らしであったので、お尻の谷間はひどく汚れていたが、太ももの内側はほとんど無傷で便座を汚すことなく済ますことができ、温水洗浄で谷間の汚れを入念に洗った。排出された液体はほとんど吸水層に吸収されて、ロングパンツ、ズボンは無事であった。新しい自作パンツに取り換えて、診察待合室へ急いだ。診察待合室には2人の患者がいて、20分くらい待たされた。私の前の患者が診察室に呼び込まれたころから、お腹の不快感を感じ始めた。前の前の患者は10分位で終わったので、私も長い時間かかるとは思わず、診察が終わるまで我慢することにした。
しばらくして、診察が始まり、脳外科医師は頭のMRI画像をPCの画面に映して、「無症候性の小さい脳梗塞が少しあるが年齢相応である。80歳で脳の委縮がほとんど見られないのは非常に珍しい、どのような生活をしているのか詳しく話してほしい。」と言われて、生活習慣、特に頭脳を使う活動について詳しく質問された。フランクに答えると、医師は「大変参考になりました。この生活態度を続けて下さい。」と言われて頸動脈狭窄症の精密検査のMRI画面に戻り、「頸動脈狭窄が明確に認められますが、年齢から考えて、手術などを勧めるつもりはありません。3ヶ月後に再度MRI検査をして進行が認められなければ心配する必要ないが、自覚症状が現れた時にはすぐ来院して下さい。血栓の生成を抑制する薬と動脈硬化を防ぐ薬の服用を続けて下さい。」と指示された。予定をはるかに超えた診察で、話をいている間に、お腹の圧力が限界に達した。医師の質問に答えている間は緊張していたので、何とか我慢を続けられたが、診療が終わり診察室の外に出たとたん緊張が解けて、確り締めていたゲートが緩み、太ももの内側を生温かいものが濡らし始めた。トイレに急いで行きたいが、歩くと漏れ出した液体が自作パンツの裾から流れ出す危険を感じたので、待合室の椅子に腰掛け、必死で肛門括約筋を緊張させたが、液体の流出を止められなかった。覚悟を決め、腰かけたままお腹の中の液体が流れ出して圧力が低くなるのを待った。漏れ出した液体は太ももと自作パンツの濾過布をびっしょりと濡らしたが、しばらく静かにしていると吸水層が液体を吸収し不快感が軽減された。トイレで処理したいが太ももが汚れてしまったので、便座に座ることが出来なくなった。このまま家に帰ることとし、会計を済ませ、バスでローカル線の駅へ向かった。

ローカル線の発車時刻に余裕があった。下痢を恐れて飲み物を控えていたので、猛烈に喉が渇いた。自動販売機で紅茶を求めて、駅のベンチに腰をおろして飲んだ。素晴らしく旨かった。しばらくして電車が到着し、乗り込んだ。目的駅まで20分位のところに来た時、急激にお腹が張って苦しくなった。途中下車して和式トイレを探して済ますか、我慢して堪え切れなくなったら自作パンツに頼るか、判断に迷ったが、自作パンツの吸水層にまだ余裕がありそうなので、自作パンツに頼ることにした。限界まで我慢してしまうと、急激な流出で吸水層の吸着が間に合わなく、自作パンツから漏れ出す危険があるので、静かにゆっくりと流出させた。吸水層が液体を吸収する余裕があったので最悪の事態は避けられた。異様な音といやな臭いもほとんどないので隣席の人に気づかれることも免れた。駅から家までタクシーで急いで帰った。

家に着くとすぐに浴室で下半身を洗い、洗い場をハイタ―で消毒した。早朝からの激しい下痢と絶食で脱水状態となり、強烈に喉が渇いた。紅茶一杯とスポーツドリンク二杯を立て続けに飲んで、ベッドに横たわった。暫くすると、飲み物の刺激で凄まじい下痢が30分位おきに襲ってきた。2時間ほどで少し落ち着いたので、家内と下痢症の原因について議論した。家内は「よく火の通らないアサリを食べたのでしょう?」と言った。四国旅行での 半焼け蛤の経験から十分に口の開いたアサリにしか手を付けなかった。
砂抜き中のアサリが強烈に水を噴き出していたのを思い出した。新鮮で元気がよいことは海水中のプランクトンと一緒に吸い込んだノロウイルスが沢山アサリの消化管の中にいたことであると気づいた。
家内に「砂抜き中のアサリの傍に何か置かなかったか?」と聞くと「少し離してサラダに使う洗ったレタスを水きりのために置いた。」と答えた。昨日のアサリは元気が良すぎて、離れて置いたレタスにまでノロウイルスを含んだ砂抜きの水を飛ばしたのであろう。家内は遠くまで噴き出した水でレタスがノロウイルスに汚染されたことに気が付かなかったのであった。

同じものを食べたのに、また私だけがノロウイルスに感染し発病したのか不思議である。
酸性の環境に弱いコレラ菌?赤痢菌、腸炎ビブリオ菌などに感染発病し易いのは、私の胃液の酸性度が低いことが原因と理解していたが、酸性の胃液に強いと言われているノロウイルスにまで、他の人より感染発病し易い理由を理解できないでいた。

先日、中学校の同窓会で、胃腸科を専門とする医師の友人に「なぜ俺はノロウイルスに弱いのか?」と尋ねた。彼は「君の血液型はO型かA型だろう。ノロウイルスに感染発病し易い血液型と、感染発病し難い血液型があり、ノロウイルスの種類により変わるが、O型とA型の人に感染するノロウイルスの種類が非常に多く、B型の人に感染するノロウイルスが少ないこと、および血液型抗原が唾液などの体液中に分泌されない非分泌型の人は日本人の約16%を占めるが、この人もノロウイルスに感染発病し難いことが最近欧米の医学誌に報告された。ノロウイルスの培養が困難なため、ボランティアにノロウイルスを飲んでもらって、感染成立の有無と血液型に関係する遺伝子と遺伝型、血液型を調べた。使用したウイルス以外については推定できない。日本の医学界ではまだ常識となっていないが、君はノロウイルスに感染発病し易い血液型なのだ。」と答え、さらに「ノロウイルスの遺伝型は大きく2つに分けられ、2つを合わせて31種類が見付かっている。ノロウイルスは、DNAウイルスより突然変異が起こり易いRNAウイルスである。このため、免疫の獲得が難しく、君のようにノロウイルスに度々アタックされて苦しむ人がいる。ノロウイルスに感染するのは食べ物だけでなく、ノロウイルス下痢患者の使ったトイレのノブに触れた手から感染することもあるし、ノロウイルス患者の嘔吐物の処理が不完全だと空気中に浮遊するノロウイルスが付着した塵から感染することもある。症状は極めて激烈だが、脱水症にならない限り生命の危険はない。ノロウイルスに感染発病した後、そのウイルスに対する抗体が出来るが、ほとんどのウイルスの抗体は数年で効力を失うと言われている。感染発病したら、絶食し、強烈な下痢でトイレに間に合わない危険があるので、吸水層の付いたおむつをして2日位寝ていれば自然に回復する。下痢を恐れて、水分を摂らないのは危険である。ノロウイルスに有効な薬はないので、ウイルスを早く排せつすることが大切である。下痢止めは飲んではならない。嘔吐、下痢で失った以上の水分と電解質をOS-1飲料、スポーツ飲料、紅茶で補給する。ウイルスと一緒に排せつされた善玉菌補給のため生菌製剤を服用する。胃酸に強い宮入菌がよいと言われている。嘔吐で水を飲めないときは点滴をする。点滴は胃腸に負担をかけないで、水分補給が出来るので、症状がひどい時には有効である。風呂に入るときには最後に入り、すぐにお湯を捨てる。トイレでは手の消毒が済むまで、ノブに触れない。汚れていなくとも下着は塩素系の洗剤で消毒する、汚れた下着とおむつは塩素系の洗剤の原液をかけて2重のポリ袋に入れて焼却処分にすることが感染を広げないため大切である。症状が治まっても1週間はウイルスを排出している危険があるので、これらを続けること。」と家族と周辺に感染させないための心得を教えてくれた。
「ノロウイルスに感染し発症するまでの潜伏期間は24〜48時間と言われているが、私は8〜10時間で発症したことが多い。ノロウイルスに対する感受性が高いのか、腸管の反応が過敏なのか?」と質問した。彼は「ノロウイルスに感染し発症するまでの潜伏期間は被感染者の体質により異なる。君はよくお腹を壊して体育の授業を見学していたのを覚えている。下痢型の人では潜伏期間が短くなることは考えられる。」さらに「ノロウイルスに感染し発症すると、嘔吐することが多いようであるが、私は子供の時以外は嘔吐の経験はほとんどない。これは早期に激しく下痢をして腸管内の圧力が高くならないためか?ノロウイルスは胃では増殖しない筈なので、この場合の嘔吐の原因物は小腸の内容物か?」と尋ねると「子供や若い人は嘔吐から始まることが多い。年齢が高くなると、下痢で発症するケースが多くなる。この原因はよく解らない。嘔吐物に胆汁が混じっているので、十二指腸の内容物が混入していることは間違いない。ノロウイルスに感染し発症して、嘔吐しないのは珍しい。ノロウイルスの感染で君の腸管の蠕動運動が異常に亢進して、小腸と大腸の内容物を速やかに直腸へ送るためかも知れない。感染してから普通の人より早く下痢を発症することと整合性がありそうだ。嘔吐も下痢も急激に発症するので醜態を演じてしまうことが多い。ノロウイルスに感染発病したら絶対に外出しないで、トイレの近くで寝ていること。醜態を演じると、家族と周辺の人に感染させる危険があるので、注意すること。ノロウイルスの培養が困難なため、感染の確認には数万円する検査キットが必要で、健康保険の適用はない。」と懇切に教えてくれた。

私も子供の時は嘔吐と下痢を同時に発症して苦しい思いをした記憶がある。私は子供の時から、しばしばノロウイルスに感染発病していたらしい。そして今でも、免疫抗体を獲得できないで、今回のような苦しみに度々アタックされている。
私と同じものを食べても、ノロウイルスに感染発病しない家内と子供たちはB型である。

G.P.S.(Dr.GERI)

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