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04/02/19 高校で日本語を教える

2004/02/19(木)
インターネットカフェから寮に戻ると中国人のAさん(仮にAさんとする)がいた。彼女とは、私が中国に来たばかりのころ他の寮生の送別会で知り合ったが、話しているうちに日本人同士で話している気分になってくるぐらいに日本語がペラペラだ。
日本人が日常会話で話す少し崩れた日本語もバッチリ理解してくれるので話す方は気を使わなくていいので楽だ。中国の高校で日本語を教えているだけのことはある。

Aさん:「今から私の学校に行くのですが一緒に行きませんか?(日本語)」
ふぢ:「行きます!(日本語)」

中国の高校生と話せる機会なんて普通は無いからな。当然行くでしょう。
中国の学校はどうかな?やっぱり日本とは違うのかな?楽しみだなぁ!


Aさんと日本人寮生3人でタクシーに乗り学校に向かった。学校の生徒数は3000人ぐらい。
学校に着くと職員室(?)に案内された。そこには同じく送別会で知り合った日本人のBさん(同様に仮にBさんとする)がいた。彼も日本語を教える先生だ。日本語、中国語と英語も出来るらしい。すごい人だ。

そこで授業時間まで待ちながら話しをしていたら、話が予想外の方向へ。
なんと生徒たちに私たちに対する質問を用意させているから今日は生徒たちと日本語で会話して欲しいと言う。つまり1時間だけ日本語の先生です。
「授業風景を見せてもらえる」と軽い気持ちで来たのにいきなり日本語の先生だなんて。なんかこっちが緊張してきた。ちょ、ちょっとトイレ行ってこようかな。

教室に入ると、7〜8人ずつ机を会わせて班を作っていた。全体で4つの班に分かれていた。彼らはみんな今後日本の大学に留学する予定だそうだ。
1つの班に私たち日本人留学生が1人ずつ入る。

私は最初に担当する班の空いたイスに座った。生徒が紙コップに水を入れて「どうぞ」渡してくれた。
机の上にはどの生徒も教科書や参考書が山積み状態で空いたところに紙コップを置いた。これが後で事件を引き起こす。

「日本のどこから来たのですか?」という質問のときに、生徒たちはあらかじめ準備していた画用紙に自分達で丁寧に書いた日本地図を私の前に置こうとした。その瞬間。水の入った紙コップが私の太股に倒れた。

ふぢ:「ああぁ〜!!」
生徒:「すみません!!」

慌てて拭いたが遅かった。冷たい。パンツまで濡れてしまった。
でも、そんな小さなことで怒るような私ではない。わざとじゃないのはわかっているので笑って質問の続きだ。

生徒からの質問は難しいものも結構あった。
「日本の大学はどうですか?」(俺は専門学校卒)
「歌舞伎はどうですか?」
歌舞伎はどうかって聞かれても見たことないからねー、「見たことない」って答えるしか無かったです。

あと「鄭州大学では何を専攻しているのですか?」と聞かれて「中国語を勉強しています。」と答えたのに、日本でコンピュータの仕事をしていたといったら「母の友人に鄭州大学でコンピュータを教えている人がいます」と先生の名前まで教えてくれた。
鄭州大学ではコンピュータは専攻しないって言っても伝わらなくて。(苦笑)
でも専攻してなくても尋ねていけ、という親切心だったのかなー

「好きな食べ物はなんですか?」と聞かれて、私が「チャーハン」と答えたら、生徒たちはわからなかったみたいで「中国語で言ってくれ」と言ってきた。
「よしきたっ!」って感じで中国語で言ったんだけど全然伝わらなかった。で、生徒が紙を出してきて「ここに書いてって」言われたんだけど漢字がわからなくって。結局、本物の先生に助けてもらいました。

4グループ全部終わったときにはヘトヘトでした。
でも、生徒たちの1日の生活を聞いたらはそれは想像を絶するものでした。
朝は7時20分から授業が始まり、夜の10時20分までずぅ〜っと学校で勉強するそうです。土曜日も通常通りの授業。昼休みが2時間半ぐらいあるそうですが、それでもねぇ〜
学校の寮に住んでいる子はそこから寮に帰りますが夜11時になると就寝時間となり寮全体の電源が切られてしまうそうです。
就寝時間も勉強したい子だけ小さなライトをつけて勉強することが許される。ひえぇ〜
しかも寮には勉強机とベット以外にはテレビも何も無いそうです。
中国で大学に進学しようと思ったらそれぐらい勉強しないとダメらしい。

しかも、学校でタバコを吸ったり、恋愛したり、問題を起こしたら即刻退学。(恋愛については多めに見ている部分もあるようです)。
私は気付きませんでしたが女生徒で頭に白髪が生えている子もいたそうです。大変なんだろうな・・・。
私が訪問した学校ではどうか知りませんが、中には自殺したり、精神的におかしくなる子もいるらしい。

がんばらないで落ちこぼれるなら「俺はやれば出来るけどやらないだけだ」みたいな精神的な逃げ道があるけど、朝早くから夜遅くまで死ぬほどがんばって落ちこぼれたんじゃ救いが無いよな〜、だって大学の定員は決まっているわけで。どんなにがんばっても結構な人数が落ちこぼれるんだと思う。それって、超ハイレベルな落ちこぼれだよな。そこまでして落ちこぼれた生徒がその後どういう人生を歩むのか少し興味がある。

まぁ、中国の高校生の現状を少しだけですが見ることが出来て良かったです。皆さん体に気を付けてがんばって下さいね!!



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