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8/10 退職

2003/8/10(日)
関係者はほとんどの方が知っていることではありますが、会社を辞める決意をした。
決断に至った理由はたくさんあって自分でも把握しきれないので、整理して書き残すことにした。

ソフト業界の現実はかなり過酷(仕事が趣味みたいな異常な人は除く←[3〜4年前までの私])。
その過酷さは、この愚痴日記を読んだ人はその数%ぐらいは理解して頂けるのではないかと思う。
自分で読み直すと厳しい日々を思い出しますが、日記にはとてもじゃないけど書けないことも多かった。

特に仕事とは別に自分の趣味を持っている人にとってはキツイ。私は仕事と趣味を両立させることが一番きつかった。
夜11時まで仕事して、家に帰り、コンビニ弁当を食べて風呂に入ったら、もう深夜の1時とか1時半とか。
そこからやっと自分のやりたいことが出来る時間になるのだが早く寝ないと明日遅刻することになるのは目に見えている。
しかし、自分が「やりたい、やらなければっ!」と思っていることが満足に出来ないのは非常にむかつくしストレスも溜まる。
結局、朝の3時とか4時とかまでいろんな作業をして次の日の朝は遅れて出社する、の繰り返しだった。

よく偉い上司の方々からは「早く来て、早く帰れ。」とか「効率良く作業しろ。」などとよく言われましたが、笑っちゃいますね。
あれは立場上言っているだけですが、疲れきっている部下に言う言葉じゃないと思います。
まぁ、私だけが夜遅くまで仕事していて他のメンバーは早く帰っているということであれば、私が朝遅いこと、または私の仕事の効率が悪いんでしょう。
でも現実はプロジェクトに関わる何十人もの人間が朝から夜遅くまで働いて、しかもデフォルトで土曜も出勤するという状況です。それでも予定よりもどんどん遅れていくんです。
ということはそのメンバーでこなせる仕事量をはるかに越えているのだということは子供でもわかるでしょう。もう仕事のやり方とか作業効率とかのレベルでは無いのは明らかです。
その現実を毎日見ていたら、本気でそんなことが言えるとは思えません。(本気で言っている先輩や上司の方もいたのかもしれませんが)

とはいいつつ、プロジェクトがハマってしまうと状況はますます酷くなってしまうので、なんとか作業効率を上げてたくさんの仕事を処理しようと努力します。
しかし、がんばって作業を早く終わらせても次の作業はいくらでも待っています。全然終わりが見えない状況が何ヶ月も何ヶ月も続く。
効率良く作業すればするほど多くの仕事を抱え込み、後々それに関連する作業が次々と発生してしまい、ますます時間は取れなくなっていく。
仕事の種類や量を無視して決められた目標時間を越えた残業代はカット。結局はがんばればがんばっただけ損という状況になる。

他のみんなにも趣味はあるんだと思うんだが両立できている(?)のが不思議だ。
バラエティ番組を見るのが好きですが、ビデオに撮ったとしても日曜日しか見るヒマがない。でも日曜は日曜の番組を見る。結局ビデオデッキは妹にあげてしまいました。
旅行をするのが好きですが、旅行なんて行っているヒマなんてないです。旅行に行くことを夢見ることが趣味になればいいのかな。
登山をするのも好きですが、そもそも日曜日は疲れきってて寝るだけ。せいぜい高尾山に日帰りするくらいが限界かな。

唯一の趣味が読書とか音楽を聴くこととか言う人はやっていけそうですが、それ以外の人は無理そうです。やはり自分の趣味とか楽しみを思いっきり犠牲にするしかなさそうです。
そもそも、夕方の6時とか7時とかに帰宅ラッシュがあることが信じられない。なんでみんなは明るいうちに帰れるんだろうか。
うちの社員も技術以外は概ね定時で帰っているみたいだけど。そんなのを先にリストラしろっていつも思ってました。今となってはどうでもいいけど。

でも、そんな不満を先輩や上司にぶつけても相手を困らせるだけです。原因は会社が悪いのではなくソフト業界の構造的な問題だと思います。その辺の話は難しくなるし問題も多いので省略しますが。

【退職の主な理由】
・仕事と趣味がどうがんばっても両立しない。
・仕事だと割り切るには自由になる時間が無さ過ぎる。
・生産的な仕事(モノ作り)がしたい。
・年数的にモノを作る歳では無くなった。
・ワープロと打ち合わせばかりの作業内容にどうしても興味が持てない。
・愚痴ばかり言っている自分がイヤになった。
・この過酷な仕事をあと何年続けられるか自信が無い。
・仮に定年まで続けられたとしてもその後には何も残っていない気がして不安。
・フレックスが無くなり、朝遅れて出社することにも罪悪感を感じなければならなくなった。
・そもそもWindows系を勉強していたが、適当にどハマリなプロジェクト(非Win)に突っ込まれた結果、世間の流れから取り残された。
・自分の持つ技術は時代遅れになってしまった。
・新しい技術についていけなくなってきた。そもそもVS.NETは触ったこともない。
・新しい技術を覚えるにも時間がなさ過ぎる。
・好きなことを好きなだけやってみたくなった。
・夜寝ようと思っても寝れない、朝起きれない。


結果的に最後の1歩を踏み出すのにかなりの時間がかかってしまいました。
もう少し早く決断できれば良かったと後悔しています。
でも、ギリギリ間に合ったかなと思ってます。10年間お世話になりました。


P.S.
今は誰をどのプロジェクトに突っ込むかが密室で適当に決められている。
空いている人間を適当に次のプロジェクトに突っ込むのではなく、入社5〜6年以上経った社員にはある程度やりたい仕事や一緒に仕事をするメンバーを選ぶチャンスを与えることが出来れば会社は変わると思う。でも、まぁ無理かな。
少なくとも毎年の組織変更には何も効果は感じられず、不安感ばかりが増してかえって逆効果。


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