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| No.660 投稿者/VB-k | 2004/08/06 |
山ワサビ その1 … 採れたてのゴワゴワ
| 最近URLが変わっていた事に気付かず、何かクレームでもあったのかと思い、
溜め込んだ腐れ食物を思いっ切り捨ててしまった私。
遂に大家からクレームが来たのである。
久々に発見すると、腐れ画像投稿OKと書いてあるではないか。
撮影しておけばよかった。
後の祭りである。
残っているのは3年前の残飯であり、これはレギュレーション違反である。
まあ、とりあえず、最近思い出したネタを披露する事にしよう。
平成3年頃、山の方の現場に行く事があり、職人に何かないか聞くと、
"山ワサビ"がたくさん獲れると言う。
この山ワサビなるもの、見た目はワサビとは程遠いが、
かつて栽培されていた外来作物ホースラディッシュが野生化したものである。
香りはちょっと違うが辛さはまさにワサビであり、
チューブ入りワサビなんかに利用されていたりする。
成育環境は清澄で低温の水なんか全く不必要であり、
手間なんか全然かけなくても無神経に育つ。
私の田舎なんかでは勝手に大繁殖しており、雑草と同じで誰も見向きしなかった。
ところが職人は「おろしてイカ刺しに付けたりメシに乗せるとすげーうめえぞ。」と力説する。
確かに他の地域で生えている山ワサビより肥育しており、うまそうではあった。
欲を出した私はその辺に生えているのを3本抜いて、ホクホクしながら家に持ち帰った。
帰るなり肥育した根を摩り下ろしたが、やはり野生、繊維質でゴワゴワしており、
それが何度も引っかかるため、自分の手をおろしてしまった。
それに時期が悪かったのか、ボソボソして食べづらい。
湿ったオガクズみたいである。
天保の飢饉なんかで木の根を食ってたらしいが、仮にも平成の世である。
こんなものは食えん。
しかし、まだ大量に残っている山ワサビを捨てると、
枕元に"もったいないオバケ"が立つ危険性がある。
私は水分を補い、かつ保存できる方法の醤油漬にする事を決めた。
硬い山ワサビを無造作に斜切りにし、醤油を適当にドボドボドボ〜〜。
すると何とも言えない香りが漂ってくる。
つまみ食いしてみた。
信じられないほどうまい。
木の根がゴボウまで昇格したという感じである。
辛味も香辛料好きの私にとってはたまらないほど強烈である。
こうなったらもう止まらない。
涙目になりながら、あっという間に半分以上(300g程度?)平らげた。
しかし、ゴワゴワ筋張っている物体は胃に負担をかけ始め、そのうち胃に激痛が!!
何年後かに山椒でも似たような状況になったが、この痛みたるやその比ではない。
1週間ほどマトモに食事が摂れなかった。
ワサビオールは胃に刺さって激痛を起こす恐るべき線虫アニサキスを弱める働きがあるとされ、
その宿主であるイカにはベストマッチな山ワサビなのだろうが、
山ワサビ自体が胃痛を起こすなら全然意味がないのである。
と言うか、辛くて消化に悪いものを大量摂取する私が悪いのだが。
余談だが、チューブ入りワサビをアニサキスの上にひり出してみた事があるが、
緑色のとぐろへ元気に潜り込んで行った。
実際全く除虫効果なんぞないのであるな。
その数年後、山ワサビを巡って再び事件は起きる。
つづく
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