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| No.1528 投稿者/コーラル | 2010/10/17 |
スジとタヌキ肉。
| こんにちは、コーラルです。
これは私ではなく父の体験談です。
もう40年近く昔の話。
まだ21になったばかりの父は、時々親戚の伯父さんの家に行くのが好きでした。
伯父さんは東京生まれですが、自然が好きなので田舎の山村で一人暮らしをしています。
伯父さんも父を可愛がってくれ、
山で取れる山菜の塩漬やキノコなどの料理を振る舞ってくれるのです。
ある日の土曜に、伯父さんの家に遊びに行った父。
伯父さんは、「よっ、来たな!今日は珍しい肉があるぞ〜。」
と上機嫌。
どうやら父が来るので、特製肉鍋を作ってくれていたのです。
父が持ってきた日本酒を差し出すと、伯父さん更に嬉しそう。
早速囲炉裏を囲み肉鍋をつつく二人。
グツグツ…。モシャモシャ。
父「なぁ、伯父さん。これ何の肉だ?変わった味だな。」
伯「これかぁ、実はタヌキの肉だ。」
父「タヌキ!?俺初めて食ったよ〜。」
実はその日の朝、近所の人(近所といってもすごく離れている)にタヌキの肉をおすそ分けしてもらったとか。
クセが強いので臭み消しに生姜とニンニクを大量に入れ、野菜を入れて鍋にしたそうな。
確かにまだクセがあるが食べられる。日本酒と一緒に食べていると、
伯「そうそう、心臓も煮てみたんだ。食うか?」と伯父さん。
父「心臓?内臓は苦手だけどタヌキ肉は珍しいし…。いただくよ。」
さっそく大きな器によそってもらう。
コリコリ…。
父「レバーっぽい。しかしタヌキの心臓ってのは随分スジが多いんだな。」
伯「どれ、ハフッハフ。…ん〜、白いスジだらけだw」
父が何口目かでじっくりスジを見ると…。
父「……!!お、伯父さん…これひょっとして…虫じゃねえか!?」
青ざめる父。
スジにしては固くなくプルプルしている…。
伯「!?…おおぇぇぇ…」
間違いなくそれは虫だったそうです。心臓にびっしり詰まった虫…。
その後母と結婚して犬を飼いはじめた父。
ある日父は動物病院で愛犬の診察をした時、たまたま犬のフィラリアの写真を見た。
……あれ…これは昔に見たことが…心臓…タヌキ……あのスジかあぁぁぁ!!
父はフィラリアを知らなかったのです。そしてタヌキは…犬科の動物。
寄生虫をガッツリ食べた父。
愛犬は元気でしたが、かわりに父がトラウマになりかけたそうな。
そして父さん。
あなたって人は、何故私が塩辛スパゲティーを食べている時にそんな話をしたのか…。
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