2013年1月から2018年2月まで、Raspberry Pi1 Type B 512MB(2012年発売)でWebサーバを運用していました。 導入や運用中のできごとを紹介します。 2018年3月からRaspberry Pi3 Type Bに移行しました→こちらを参照して下さい。
以下、2018年2月の旧環境(Raspberry Pi1)終了時点の情報です。
■Raspberry Pi1サーバの紹介現在Raspberry Pi1で提供していたコンテンツは、 ・donnk.com(個人サイト) ・kawakubocoffee.com(合資会社 川久保商店様公式サイト) →コーヒー豆焙煎の注文をネットで受付
サイトの規模は、 ・公開Webページ数 7000程度 ・コンテンツデータ容量 400Mb程度 ・1日のリクエスト数(GET+POST数) 37000程度(bot含む) ・1日のユニークIP数 1500程度
■Webコンテンツのレスポンス静的なhtmlファイルならまったく違和感なく表示できます。 例:食中毒への道トップページ
perlを使ったCGIのページの表示は、重たいもので3秒程度かかります。ちょっと遅いですが、ギリギリ運用に耐えられると思いました。 例:食中毒への道 今週のおぇ〜ランキング
そもそも自宅サーバの回線はADSL(8M)なので、速い回線であれば画像などの表示はもっと速くなるかも。
■下駄箱の中がサーバルーム下駄箱の中に、Raspberry Pi1とUPS、Router、Hubが余裕で収まっています。このピンク色のプラケースは、2012年10月にここから購入した時に付属していたケースに、自分で、ケーブルの通り穴を開けました。
■Raspberry Pi移行のメリット○何といっても省エネです! 今までの自宅サーバ(Intel CeleronD 325 (2.53GHz))は、消費電力が60W程度。 Raspberry Piは、たったの3.5Wですから、今までの約17分の1です!! 1年間の実績として、年間489kWhの削減、電気料金7603円の削減に成功しました! 詳細はこちら。
○長時間の停電に対応できます。 以前からUPS(APC RS550)を使用していますが、これまで停電時は10分程度しか持ちませんでした。 2011年の震災の時は、計画停電で数時間も停電したので、自宅サーバの運用ができない、苦い経験がありました。Raspberry Pi移行後は、RouterやHubを合わせても12Wなので、停電しても2時間以上はUPSのバッテリーでWebサービスを提供できます。2014/4/27の八王子停電についてはこちら。
…消費電力のことばかり書きましたが、名刺サイズという小ささと、低価格(4000円程度)も大変魅力です。
■購入したもの●本体・・・Raspberry Pi1(model B)メモリ:512MB版
●USB充電器・・・ 1個目:iBUFFALOのUSB充電器→連続稼働8ヶ月で故障。(障害報告) 2個目:充電万能 PL-WUCHG01(プラネックスコミュニケーションズ株式会社)に交換→2013年9月から現在使用中
●電源用USBケーブル・・・ELECOMのmicro-Bタイプ−USB2.0ケーブル 1m
●SDメモリカード・・・ 1枚目:TOSHIBA SDHCメモリカード 16GB CLASS10→2013年1月から1年1ヶ月で故障。(障害報告) 2枚目:Transcend SDHCカード 16GB Class10に交換→2014年2月から9ヶ月で故障。(障害報告) 3枚目:Transcend SDHCカード 16GB Class10に交換→2014年11月から24ヵ月で故障。(障害報告) 4枚目:Transcend SDHCカード 16GB Class10に交換→2016年11月から18ヵ月で故障。
●モニタ用ケーブル・・・iBUFFALOのHDMIケーブル 1.5m
●UPS・・・APC RS550→バッテリー消耗のため2016年8月に交換
これまで、USB充電器やSDメモリカードの故障が発生し、交換しましたが、 Raspberry Pi本体は2013年1月から運用終了までの5年間、連続稼働に耐えました。
■構築方法SDメモリカードへのOS書き込みや、OSセットアップ方法の説明は省略させて下さい。特別なことはやっておらず一般的な手順で構築しています。
OSは、Raspbian Jessie。(2016年11月 Jessieにバージョンアップ)
サーバ構築としての注意点は、以下の2点。 1.デスクトップ環境などリソースを食うものは入れない。 2.SDメモリカードにログ等、常時書き込みを続けるとすぐにSDメモリカードの寿命が来てしまう(実績あり)ので、極力RAMDISKに書くようにする。詳細は、rsyslogとapacheのログをRAMDISKに書く方法(rasbian)を参照。
インストールしたパッケージは、 apache2-mpm-prefork liburi-perl libjcode-pm-perl libswitch-perl libgraphics-magick-perl postfix dovecot-pop3d procmail apcupsd ntpdate bind9 dnsutils sysstat rsync
perlを使ったCGIのページの表示に、5〜6秒もかかるページがあったので、 切り分けしたところ、switchモジュール(use switch)によるswitch文の解釈に時間がかかっているようなので、 switch文を止めて全てif文に変更したところ、表示時間が3秒程度に短縮しました。
■コーヒー豆焙煎の注文受付システム稼働中!2013年11月28日から、RaspberryPiで、kawakubocoffee.com の提供を開始しています。こちらのサイト「川久保商店」は、コーヒー豆焙煎のオーダメイド注文を受け付けるネットショッピングサイトになっています。
・Raspberry PiにSSLサーバ証明書(GeoTrust)をインストールして、httpsによる暗号化を行っています。 ・Raspberry Piでも稼働するよう、超軽量化した100%オリジナルの注文システム(perlのみ)です。 ・ネットショッピングとはいっても、ショッピングカートや決済機能ありませんが、パスワードでログイン後、コーヒー豆のオーダーメイド注文(銘柄、量、焙煎度、豆の状態、お渡し日時指定等)が簡単に操作でき、受注時にお店へメールして、注文票を印刷できます。 ・2014/11/8、スマートフォンに対応。 ・Webデザインと構築はすべて私(ひらT)が担当。 ・2016/9/19 全ページSSL化。
↓注文画面
ぜひ、香り高い炭火焙煎の珈琲豆を、kawakubocoffee.comでお試し下さい!
この記事のURL
|