ドンタコス通信
ドンタコス通信


イヤッホー、みんな元気にしてたかな?今週のN村は元気だぞ。
今週は前回の予告通りバンジーに行ってきた報告だ!!
今回は長いので、仕事中には読まないように。


出発
今度こそバンジージャンプをする為に前回の教訓を生かして、8時ぐらいに
現地に到着する事を目標にしました。計算では6時ぐらいに家を出れば間に
合うのですが、先週の雪辱をはらす意味も兼ねて始発の5:17分を目標に
しました。
5:17の電車という事は5時過ぎには家を出る必要があるので、余裕をも
って4:30起床とします。しかし、粘土やパテを盛ったり、削ったり、ま
た盛ったりしていると、いつのまにやら時刻は3:30。いかん!!寝る時
間が無い!仕方ない今から緊急睡眠だ、1時間でも寝れば、ちょっとは楽に
なるだろう。
そう思ってはみたものの、緊張しているのか、さっぱり寝付けません。30
秒にも満たないような小刻みな睡眠を繰り返してしまい、とてもじゃないが
寝た気になりません。
そうこうしているうちに、時刻は4:20。あぎゃー、後10分しかないぞ。
もういい、こうなったら始発を逃してもいいから寝る。そう決めると、起き
なくてはならないというプレッシャーから解放されたせいか、ぐっすりと眠
れました。
うにゃ、と目を覚まして時計を見ると時刻は5:10。目覚まし無しでも起
きられるのが、N村のスゴイところだ。
始発は逃したが、まだ間に合う時間帯だな。急いで支度をして、家を出て駅
に到着したのが5:30を過ぎたあたり、幸いにもすぐに電車が来たので、
一路お台場へと向かいました。


待つ
現地の台場駅に7:30ぐらいに到着して、バンジー会場のメディアージュ
というビルに向かってテクテクと歩いていきました。メディアージュ方面に
向かう人はN村の他に一人しかいなかったので、まだ行列にはなっていない
だろうとタカをくくっていました。しかし、到着してみると既に目算で20
人ほど並んでいます。メディアージュの入り口は2ヶ所あり、情報によると
もう一方も18人程度並んでいるとの事でした。
ちなみに先頭は朝の4時から並んでいたらしい、その根性には脱帽しました。
定員は40名なので、ギリギリ間に合ったというところでしょうか。しかし
まだ分かりません。噂によると10:00のオープンと同時に受付まで競争
が始まるようです。
メディアージュというのは入り口が3階にしかないというふざけた建物で、
バンジー受付は1階にあります。バンジーリピーターの話だと、昨日は一ヶ
所しかない下りエスカレータで人間雪崩が起きそうになったそうです。しか
も今日はバンジーの最終日なので、昨日以上の混雑が予想されます。そこで
今日は事故だけは避けたいと今集まっている参加者だけで、早く来た者順に
しようではないとか話になっていました。
N村の順番はきちんと数えると21番目でしたが、もう一方の入り口が18
人で定員の40人には入れる事になるので、その案には特に依存はありませ
んでした。
メディアージュのオープンは10:00なのですが、バンジーの受付開始は
11:00からなので、約3時間半待つ事になります。長時間待つ事は覚悟
していたので、準備しておいた小説を読んで、時間をつぶします。


オープン
9:30頃にはN村のいる側の入り口でさえ40人以上は並んでいます。
そして、先ほどの参加者だけで決めた先着40名の話は無しで、やはり2つ
の入り口からの競争になると告げられました。N村のポジションは21番目
なので、一人は抜いておきたいところです。
人の流れをいかに掻き分けて前に進むか、イメージトレーニングします。N
村の位置は2列に並んだ左側なので、抜くなら左から大きく走りぬける。そ
して、それなりの位置まで滑り込んだら、あとは肘とカバンを使って抜かさ
れないようにガードだ!!イメージトレーニング完了。
9:55、辺りの空気が殺気立ってきました。おそらくオープンすれば一瞬
で結果は決まってしまうのでしょう。次第に会話をする人々もいなくなり、
全員の視線が自動ドアの向こうに見える係員の動向に注目しています。
そして、10:00のオープン。あらかじめ怪我のないように無茶はしない
というルールを列の前半の人々は早歩きといったペースで下りエスカレータ
を目指しました。
しかし、左正面からもう一方の入り口組が怒濤のごとく駆けてくるのを見る
と、こちらも一気に走り出しました。ここから後はもう無茶苦茶です。某花
火大会の歩道橋事故の再来かと思われるほど、みんな押しまくりです。その
ままでは下りエスカレータで人が将棋倒しになりかねないので係員が下りエ
スカレータでの入場を制限しながら、少しずつ人を捌いていきました。
さて、N村はというと先の暴動でスルリと列から抜け出して、2つの大きな
人々の流れの隙間を縫って、一気に前をへと進みました。人の衝突が最も激
しいかと思われる位置を進んだのですが、他人の押している力を利用して前
へ前へと人をかわして行ったので、楽々と良いポジションを取れました。ほ
ぼイメージ通りの展開です。
係員の誘導によってゆっくりと人が捌けていき、N村を含む3人が階下へ降
りる権利を得ました。一階にはパッと見で35人ぐらいの人がいたので、左
側にいた人にまず、道を譲りました。もう一人に道を譲るほどお人好しでは
ないN村はその後に続いて一階へと向かいました。


受付
周囲の情報によるとN村は38番目ぐらいの位置をGETできたようです。
10:00にオープンして受付開始が11:00なので更に1時間待つ事に
なります。N村の後ろにもキャンセル待ちの予備軍が20人ほど待機してい
ます。
11:00に受付が始まったのですが、列がさっぱり動こうとしません。
え〜っと1人に1〜2分かかるとして、計算上は・・・げげげっこれまた1
時間もかかるじゃないか。
のんびりと進む流れにのって、前に並んでいる人がようやく10人を切った
頃でしょうか、スタッフがやってきて、「ここで40名の締め切りになりま
す。」と言ってN村と次の人の間を手で切った。
おおっー余裕があると構えていたら実はギリギリだったのか、と思いつつも
後ろの人に遠慮して心の中でガッツポーズ!!いやー、エスカレータでもう
一人に道を譲らなくて良かった。
体重測定オッケー、飲酒もしてない、見事なまでに健康な肉体という訳で審
査もパス。しかし、問題が・・・。
参加者はみんな既に数時間は待たされ続けているし、別にお台場でお洒落に
ショッピングなんて考えるわけでもありません。ただ早く飛んで、早く帰り
たいと思っているので、飛ぶ時間が前の方から順番に埋まっていく訳ですわ。
そして、N村の受け付けはというと40番目。おのずと残された席は、かな
り最後の方になってしまうのです。


最後のN村に残っていた席は37番目、時間は19:00から。そして現在
時刻は12:00ぐらい。集合が18:30なので、実に6時間30分の待
ち時間があるのです。それだけの時間があれば、家まで往復可能だが、して
どうする?
まあ、眠いので睡眠をとるとしよう。
寝る前にちょっと海の方へと行ってみました。海とは言っても東京湾なので
あるが・・・。
岩場があって釣りを楽しむ人がいて、遊覧船がのどかに走っていて、見た目
は文句の付けようのないぐらいに海なのですが、大事なものが足りません。
何かと言うと、潮の香りがしないのです。普通ならば海に近づくだけで潮の
香りが鼻腔を刺激するのですが、ここにはそんな物は存在しません。微かに
あるといえば、あるのですがスーパーに売られているシジミ並です。
潮の香りがしないとは全くもって恐るべし東京湾、きっと東京中のトイレの
消臭剤が東京湾に幾年もかけて流れついた結果、匂いが無くなってしまった
のだろう。どうやら本当に恐ろしいのは東京湾ではなくて、潮の香りすら消
してしまうほど清潔志向の現代人のようだ。


迷いオヤジ
物足りない海に出会って、なんだか寂しい気分のまま駅前まで歩いていた時
の事です。1人の自転車に乗ったオヤジがやってきました。
「すいません、東京はどっちですか?」
どっちも何も、ここは東京だろ!何を言ってやがるんだこのオヤジは、と思
いましたが賢明なN村は口には出しませんでした。おそらくこの人は東京駅
方面に行きたいのだろう。
「あの橋を渡れば、東京ですよ。」
N村はレインバーブリッジを指して答えました。
「やっぱ、あの橋を越えなきゃいかんのかい。」
オヤジは「こりゃこまらんな」と背中で言いながら去っていきました。
はて、N村は妙にこのオヤジの事が引っかかりました。
お台場という離れ小島に自転車で来るには、レインボーブリッジを越えてく
るか、無理矢理地下鉄で来るかしかありません。
先の言動からするに、来るときは自転車でレインボーブリッジ越えはしてい
ないようです。
地下鉄を自転車で来るには、自転車を手荷物として持ち込むか、深夜に地下
鉄路線を走るしかありません。どちらも、まともな人間のやる事ではないで
すがどちらにせよ、通常ルートはレインボーブリッジに限られると知ってい
ると考えられます。
結論としては、あのオヤジは方法はどうあれ、お台場という袋小路にやって
きてしまった。そして、電車に乗る手持ちの現金は無し。じゃあそこいらに
駐輪してある自転車でもパクッてどうにかして帰ろう、と思ったのでしょう。
しかし、帰ろうにも周りは全部海、唯一の出口はレインボーブリッジしかな
いように見える。もしかしたら別ルートがあるかと思って、気の良さそうな
青年(N村)に訊いてみると、やっぱり・・・といったところが正解かと思
います。


寝る
オヤジと別れてから、駅前に戻り木製のベンチらしきもので眠りにつきまし
た。しかし、ベンチだけあって堅くて長時間眠れるものじゃありません。お
まけに、幅が狭いので寝返りをうつ事ができず、身体の特定部分だけが痛く
なってきます。それでも、睡眠の誘惑には勝てず1時間のうち40分ぐらい
は寝ていました。
途中目が覚めて、周囲を見渡すと、なぜか景色から色が抜け落ちています。
絵を描いている人なら分かると思いますが、灰色を混ぜたような景色です。
眼がとことん疲労している時に、日光の下の景色を見ると、そうなるようで
す。
ひょっとしたら、このまま治らないとか、悪化してモノクロにしか見えなく
なるかもしれないと不安も感じましたが新しい発見があってちょっと嬉しい
N村でした。
結局、眼は5分程度で無事に復活しました。
そのまま、永遠とも思える時間を寝て起きてを繰り返していました。
しかしまあ、昼間っからベンチで男が一人で横になっていると、気分はすっ
かり浮浪者です。周りからは怪しい人かと思われているのを意識しながらも
寝つづけるN村であった。


某F原氏登場
N村が寝たり起きたりを繰り返していた頃、某F原氏がお台場に登場。バン
ジージャンプの行われているメディアージュ内でN村の所在を探しまくって
いました。
しかし、N村はメディアージュの外で居眠り中、当然ながら見つかるわけが
ありません。そんな事は知らない某F原氏が、とうとう最終手段にうって出
た。
「相模原市からお越しのドンタコスN村様、お連れ様がお待ちになっており
ます。・・・・・」メディアージュ内にN村を呼ぶ館内放送が流された。し
かも、2回も。
館内放送で呼ばれるなんて、初めての経験である。聞けなかったのが残念で
あるが。もしも、聞いていたなら10分後に「多摩市からお越しの某F原氏
様、・・・」とやり返していたかもしれない。
館内放送の甲斐あってか、某F原氏は無事にN村と感動の再会を果たすと、
別の用事があるからと言って、去っていきました。


集合
18:00前に集合場所であるバンジー落下地点付近にやってきたN村は、
バーチャル投身自殺をする人々を見ながらイメージトレーニングをしていま
した。
見ていて気が付いたのですが、みんな飛び込み台のような場所に立ったら、
なんの躊躇もないかのようにあっさりと飛んでいる。上に立ったら滅茶苦茶
怖いはずなのだが、どうやったらそんなにポンポン飛べるんだ?
バンジーは30分毎に5人飛ぶので、5人のメンバーが出来あがります。こ
の5人で一時だけ共に恐怖を味わう奇妙な友人関係が出来上がっていました。
トリを努める人を除く、4人はみんなバンジー初挑戦です。
みんなやはり不安な為、少しでも話をして恐怖を紛らわそうとします。
そして、N村達の番がやってきて6階へと上がりました。
メディア−ジュは建物が吹きぬけになっています。6階にはその吹きぬけの
上を渡した橋のような通路があり、そこからジャンプするわけです。6階ま
で上がってきただけで、下を見なくても心臓がドキドキどころかバクバクし
てきます。今から飛ばなくてはいけない、そう考えるだけで頭がパニックを
起こしそうになります。
なんでこんなところに、やってきたのだろう?後悔しても無駄なのですが、
後悔せずにいられません。飛んでも大丈夫だと自分に言い聞かせようとして
も、やはり理性が逃げようとするのです。
心の奥底から沸き起こってくる、純粋な恐怖。さすがに自分の命がかかって
いると、恐怖のリアリティが違います。この感覚は小説や映画では絶対に味
わえない生の感覚です。


ダイブ
N村の前の人が、橋から少し飛び出した台へと向かいました。まるで死刑執
行になる囚人のような雰囲気が漂っています。自分の為にも重く圧し掛かっ
た空気を払いのけるために、手拍子で送り出しました。
もうここまでくると、言葉は意味を為しません。彼は自分で自分の心と戦っ
て飛ぶしかないのです。少し時間があった後、両手を広げてスタッフの方が
「5・4・3・2・1」とカウントダウンを開始しました。N村もそれに合
わせて手拍子を送ります。
そして「バンジー!」という声をともに真っ逆さまに落ちていきました。上
からでは落ちて行く様子がよく見えなかったのですが、無事に飛べたようで
す。
いよいよ、N村の番です。スタッフがゴムの準備をしている間に、深呼吸し
て、軽く飛んで緊張しまくった体をほぐします。そして、N村が呼ばれまし
た。
スタッフの方は慣れており、N村に声をかけて緊張しないようにしてくれま
した。そして、足首に筋力トレーニング用の重りのようなものを巻かれまし
た。実際にズシリと感じるぐらいの重さがあります。それがゴムに繋がって
いるのです。
器具の最終チェックを行ない、スタッフの方から激励を込められた握手をし
ました。もう逃げられない、頭の中で言われた事を復唱します。
両手は広げる、脚は伸ばす、眼は閉じない。
スタッフの方に言われた通りに、そろそろと台の端へと歩いていきます。ち
ょっと下を覗いてみたのですが、真下にあるはずの白いマットが見えません。
そうか、真下にあるものって見えにくいんだ、などと思いながら更に深く覗
くとマットが半分ぐらい見えました。
やはり恐いぞ、でもここまで来たら戻れません。
さらに足を台の端まで進めて、つま先が端から出るぐらいまで前進しました。
すると最後の一歩で、今まで台側にあったゴムの重心が空中に移動して、そ
の衝撃がズン!と足首に伝わってきました。いきなり空中へと引き込まれる
ショックにゾゾゾッとしました。
ああ、もう落ちるしかないんだな・・・・。
そして、意を決したN村は自分を鼓舞するために、頭の上で大きく手拍子を
何度も鳴らしました。
「5・4・3・2・1」
カウントダウンを聞いていると、頭の中から考えるという行為が消えていき
ました。
「バンジー!」
N村は頭から落ちるようにダイブしました。
飛んだ瞬間、一瞬ですが記憶が無くなっており、気が付くと下の白いマット
目がけて落下していました。ゾクッと恐怖が背中を撫でた後はスーと楽にな
りました。
その間もマットが視界を埋める範囲がどんどん大きくなってきます。走馬燈
は見えませんが、事故った時に感じる時間が引き延ばされている感覚があり
ました。
こういう時、N村は残り何回思考が出来るかを考えます。パソコンでいうと
何命令実行可能か計算するわけです。
どうやら、後3から4回といったところです。となれば、思いついた事を実
行するかどうか考える、ダメなら第2案を考える、それでダメなら条件反射
に任せて手で頭を覆うしかないようです。
などと思っていると、ゴムにビヨヨ〜〜んと引っ張られて、気づくと空中に
放り上げられていました。
不思議と心も身体もリラックスした状態のまま、そのまま何度か降りたり、
上がったりを繰り返していました。
スゴイ、気持ちイイぞ、なんだろうこの感覚は。最高にハイになった気分だ。
あっという間にバンジーは終わってしまいましたが、気分爽快です。
こりゃ何度も飛びたいって気持ちも分かります。


さらに
バンジーが終わって、勇気の証に記念撮影をしておしまい。と思いきや、写
真がなぜかポラロイドではない為に、現像が完了するまで更に30分〜1時
間ほど待たされる事になった。
今さら、1時間ぐらいどうってことないのだが、ここまで待たされるとは思
ってもみなかった。


結論
バンジージャンプは面白いぞ。機会があるなら是非とも飛ぶべし!!
飛ぶときのコツは、落ちたら死ぬだとかいう、理屈・理性は捨ててバカにな
る事!!それだけ守れば、最高にイイ気分になれるぞ。
帰り際にスタッフの方々に「最高でした」とお礼を言って帰ってきました。


もっと色々と書きたい事があったような気がするが、この辺で終了。
書きまくっているうちに、1週間が過ぎてしまったので、先週は配信が出来
なくなってしまい、申し訳ありませんでした。





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